高精度な溶接技術で
グループを支える

竜王金属

Tec✕Tec

2024.07.13

写真左:計画 合田亨平(ごうだ・きょうへい)さん 笠田高校出身 写真右:溶接 宮武遼多(みやたけ・りょうた)さん 尽誠学園出身

写真左:計画 合田亨平(ごうだ・きょうへい)さん 笠田高校出身
写真右:溶接 宮武遼多(みやたけ・りょうた)さん 尽誠学園出身

竜王金属の「溶接技術」

四国塗装工業の鉄工部門として独立・創業した竜王金属。顧客が支給する図面から加工用データをつくり、材料の切断・曲げ・溶接までを主に担う。組み上がった製品に四国塗装工業や春日が塗装を施して仕上げていく連携プレーが同グループのものづくりスタイルだ。四国塗装工業の「全自動電着塗装ライン」の独自性、竜王金属の板金技術、春日の下塗り塗装技術の高さが裏打ちする一貫体制のビジネスモデルを強みとする。

溶接は、熱を加えた時の素材のひずみまで考慮して目指す寸法に仕上げる正確さが求められる技術。受配電盤をはじめさまざまな機械を収める「筐体=箱」をメインに手掛けるが、細かい仕様は顧客によって異なり、ほとんどオーダーメイドに近い。一つひとつ異なる仕様を加工しやすくデータ化する計画部門とのチームワークも、精度の高いものづくりのポイントだ。

スキルアップ支援に積極的な社風で、一般的な半自動・TIG(不活性ガス)溶接に、ファイバーレーザー溶接とスポット溶接を加えた4つの設備を導入し、それらをマルチに使いこなす多能工を積極的に育成中。入社約1年でJIS溶接技能者の資格取得を目安に、その後も鉄鋼技能士・板金技能士・制御技能士などを着実に身につけていく技術者が多い。「板金に特化した企業としては、まだまだ発展途上」というエネルギッシュな風土で一人ひとりがスキルを磨きながら、グループ力の向上に貢献している。

現在担当している業務は。

計画 合田亨平さん(笠田高校出身)

計画 合田亨平さん(笠田高校出身)

宮武 前職の溶接・金属加工経験を踏まえ、素材も厚さも形も多種多様で幅広い分野の溶接を手掛ける当社は「いろんな技術が身に付きそう」と期待して入社しました。経験できることにはすべてチャレンジしたいと思っていますが、手掛けることが多いのは電力会社の仕様に合わせた「受配電盤」ですね。発電所から送られてきた電気を受け取って分配するという機能は同じでも、仕様が同じものをつくることはほとんどなくて、扉の開き方、ネジの位置まで細かく調整するオーダーメイドに近いものづくりです。しかも溶接は熱を加えるため、どうしてもひずみが出ます。どのくらいひずむかまで計算に入れて、一つひとつ仕様の違う製品を正確に加工するには、やはり経験が必要です。

合田 私は専門知識を持たないゼロからのスタートで、現場もひと通り経験した上で「計画」に配属されました。お客様からいただいた図面を社内で加工用データに変換するのが計画の仕事です。そのデータを実際の材料に配置して機械で型抜きしたのち、曲げ・溶接といった工程に進むのがものづくりの流れ。計画担当として、図面通りに、かつ加工しやすいデータをどうつくればいいか、現場をはじめとする各部門やお客様と相談しながら検討していきます。各部門の連携と人の技術がものづくりには欠かせないことを、日々実感しています。

今後、力を入れていきたいことは。

溶接 宮武遼多さん(尽誠学園高校出身)

溶接 宮武遼多さん(尽誠学園高校出身)

合田 最近は効率的な型抜きの自動配置や曲げ加工データ作成までこなすAIを導入し、より無駄のない計画が可能になっています。こうした環境も活かしつつ、いろんな仕様の図面データをより扱いやすくする社内統一規格をつくれないかと考えているところです。もう一つの目標は、複雑なデータを正確に扱えるようになること。これは現場との連携が欠かせませんから、しっかりコミュニケーションを深めたいと思っています。

宮武 半自動・TIG・ファイバーレーザー・スポットの4手法がすべて経験できるのは、技術者にとって魅力的です。特にファイバーレーザー溶接を手掛ける中小企業は珍しいのではないかと思いますが、操作性が高くひずみにくいからニーズが増えている分野。まだまだ未知の作業や自信のない作業もあり、もっと得意なことを増やしてニーズに応えていきたいですね。特に多能工化を進めている近年は、以前よりバラエティ豊かな作業を担当できて刺激的だし、成長も実感します。資格取得を積極的に応援してくれる社風もあり、とにかく何にでもチャレンジするマインドを持ち続けて、スキルを深めていきたいと思います。

◆キーワード


分社化

事業や部門、支店、工場などを独立させ別の企業を立ち上げること。事業ごとの成果が明確になる、専門性を追求できる、事業リスクを分散できるといった特徴がある。業績が好調な事業を独立させることにより、さらなる成長が期待できる。新規事業参入を目指す場合も、分社化で企業をスリム化することで経営スピードが上がるという効果もある。

竜王金属株式会社

住所
香川県丸亀市川西町北1700
代表電話番号
0877-24-6413
設立
昭和62年10月20日
社員数
38名(2024年4月1日)
事業内容
薄板板金加工、各種溶接加工
地図
URL
https://www.shikokutosou.co.jp/
確認日
2024.07.18

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