東洋炭素株式会社は、シリコンウエハーの製造工程などのエレクトロニクス分野に用いられる高純度黒鉛製品の旺盛な需要に対応するため、詫間事業所(三豊市)に黒鉛の高純度化処理能力増強に向けた設備投資の実施を決定した。
同社の高機能材料事業は、エレクトロニクスの発展に欠かせない半導体製造装置の構造部品として採用されている黒鉛製品の製造・販売を手掛ける。IoT、AIなどの進展により旺盛な半導体需要を受け、これら黒鉛製品の需要も高まっている。
なかでもシリコンウエハーの製造をはじめとする半導体の製造工程では、1000度以上の超高温度となる上、半導体プロセスの微細化と共に構造部材にも高い純度が求められることから、高純度化処理を施した黒鉛部材が多く採用されている。
また、半導体のイオン注入工程や、太陽電池・光ファイバー・化合物半導体・SiC半導体製造工程と言った様々な分野でも高純度黒鉛製品の需要が高まっている。
こうした中、同社はグローバル成長戦略の一環として、高機能材料の旺盛な需要に応えるとともに、将来的な半導体市場の需要も見据え、約20億円を投じ詫間事業所に黒鉛の高純度化処理設備を増設する。
単なる増産対応にとどまらず、工程間・工程内の機械化・自動化を進めることで生産効率を高めることも狙い、2020年度には高純度黒鉛製品全体の生産能力は約1.2倍(2017年度比)になる予定だ。