働きやすい職場づくりが サービス向上にもつながる

総合福祉サービス 取締役副社長 黒田 実さん

Interview

2021.10.21

福祉用具の販売及びレンタル、訪問入浴サービスを中心に事業展開している総合福祉サービス株式会社は2021年6月、創業者である松浦玲子さんから代表取締役社長を引き継いだ松浦裕子さんのもと新体制がスタートした。
新社長のサポート役として、現場を率いているのが副社長の黒田実さんだ。
会社が目指しているのは、経営管理の強化。「福祉サービスは、地域の皆さんに尽くす仕事です」。入浴サービスでお風呂に入ることができて“幸せ”と思える人がいる。家庭での介護をお手伝いすることで、利用者もご家族もほっとできる。「だからこそ、事業を続けていかなければならない。そのためにも利益を確保し続けたいと考えています」。
目指すは、経営理念でもある「顧客幸福と社員幸福を目指し、福祉を通し地域社会に貢献する」。その実現のためには、経営基盤の安定が欠かせない、という強い思いがある。

成功体験を味わってほしい

社員が働きやすく、安心して働ける職場づくりにも力を入れている。キーワードは、自律と自己実現だ。「職場環境や仕事のやり方などを会社が押しつけたのでは、受け身になって社員自身が考える機会がなくなる」。会社の大切な財産である社員の成長のためには、社員の声をキャッチしながら、一緒になって考え、変えていく。「“こうやったら仕事がうまく回るようになるんだ“といった成功体験を繰り返してもらいたい。成功体験を通して自律的に仕事をしてもらいたいんです」。
黒田さんがそう思うようになったのは、若い頃の成功体験がある。前職では、現場の人間として上を目指していたが、突然事務職に異動。そこで人事部と一緒になって人事制度や目標管理制度の仕組み作りに携わった。現場がついてくるものにしたい・・・現場にいた人間だったからこそ現場の気持ちがわかる。黒田さんは100人の声を聞いた。当初は反発など大変なこともあったが、やがて周りから信頼されるように。「現場の代表だ」との思いをこめて作りあげた制度や仕組みは、黒田さんがいる支所から他の支所へと展開されるようになり、会社は「強い思いがあれば変わるんだ」こういった成功体験を社員にも味わって欲しい。

現場を大事にし、一人ひとりを大事にする職場を目指ざしている。
介護を必要とする人口はこれからも増えると言われている。黒田さんは、高松方面の開拓を考える。「今に満足していたら明日はない。良い職場環境を作りながら社員と一緒になって地域に、社会に貢献し続けていきたい」。





~福祉プラザ入浴サービスの管理者 森 由起さんに、訪問入浴介助の仕事についてお話を伺いました~

Q.訪問入浴介助とはどのような仕事?
入浴は、身体を清潔に保つためだけではなく、新陳代謝を高める、リラックス効果など心身ともにいい効果があります。ですから、自宅でお風呂に入るのが難しい要介護者にも、安心・安全に、楽しく入浴していただきたいと思っています。そのお手伝いをする仕事が入浴介助です。
看護師1人、介護スタッフ2人の3人1組で、ご自宅のベッド横に浴槽を持ち込み、寝たままの状態でお客様にお風呂に入ってもらいます。入浴の前後では、必ず看護師によるバイタルチェックも行っています。
Q. いつも心がけていることは?
最初から、お客様に必ずしも受け入れてもらえるわけではありません。知らない人が自宅にくると不安な気持ちになる方もいらっしゃいます。そこで、まずは安心してもらえるように相手の心に寄り添いながら、その人にあった声掛けをします。その際には、一つひとつの言葉、手の支え方等に細心の注意を払い、お客様の状態を理解した上で入浴介助を行っています。「命に関わるお仕事である」ということを常に心にとめながら、お客様やご家族と向き合っています。
自分の大事な人がもし寝たきりになった時に「自分だったらこういう人に来てほしいな」と思えるようなサービスを提供したいと思っています。
Q. 印象に残っていることはありますか。
人の出入りの拒否感が強く、他人や家族にも触れられるのを嫌がり、3年以上お風呂に入っていない状態の方がいました。長い間、閉ざしていた心を皆で少しずつ開いていき、受け入れてもらえたことを確認した上で、無事に入浴してもらうことができ、お客様、家族、スタッフみんなで感動して泣いたことがありました。
病院やリハビリは痛みを感じる場面も多いかもしれませんが、訪問入浴介助は、唯一リラックスできる時間だと思います。お客様に「生き返った気がする」、「本当にありがとう」と言ってもらえる仕事は、やりがいがあります。
Q.職場の雰囲気は?
風通しも良く、明るい職場です。
研修も定期的に行っており、定期研修以外では職場の人と自主的に勉強をしています。例えば、その日に現場で上手くいかなかったことがあれば、解決策を考え共有し、全員でステップアップしています。
また、準備・片付けの作業を軽減できるように、一緒に考え業務改善を積極的に取り組むことで、少しでもスタッフの休憩時間が増え、次の訪問に備えられたらと考えています。

総合福祉サービス株式会社

住所
香川県坂出市川津町3921-1
代表電話番号
0877-46-0018
設立
1977年
社員数
40人
事業内容
福祉用具の販売およびレンタル
訪問入浴サービス
住宅改修
関連会社
瀬戸内オリーブ
地図
URL
http://fukushiplaza.co.jp/
確認日
2021.09.06

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