
親子だから信頼してくれていて当然、いまさら信頼関係を築く必要はないと思われるかもしれませんが、仕事や家庭が忙しく、遠方にいるなどで顔を合わすのは盆と正月くらいというのであれば、なかなか信頼関係を築くのは難しいと思います。帰省したときなど、親の家に行って、いきなり「貯金通帳はどこにある?」など聞いても唐突すぎて親は警戒をしてしまいます。そうするとお金の話はできなくなります。もともと日本人は、お金の話をすることは品がないとされているので、話をスムーズに進めるためには信頼関係を築くことが大切です。信頼関係は遠い家族より、近くにいていつも顔が見えて話をしている近所の人や、お世話をしてくれているヘルパーさんたちのほうが信頼しているのではないでしょうか。
そこで、遠方にいても近所にいても、週に1回くらいは親に電話して、「元気?変わりない?」とご機嫌を伺う、近くにいるなら、月に1回は顔を見せるといったことから始めませんか。最初のうちは、元気?など儀礼的なものでいいので、だんだんとお互い慣れてきて電話で話すことが習慣になってきます。そうなると、親は安心して子どもに何でも打ち明けます。すると、終活について、一緒に考えようという状態になるかと思います。
お金の話は、親の介護が始まる前の元気なうちにしておくことが望ましいので、個人差はありますが、信頼関係づくりの見直しは70歳ぐらいからはじめることをおすすめします。子どもから親へコミュニケーションを取ることは、子どもの役目ではと思います。親子の良好なコミュニケーションが取れることで、お金のトラブルもなく、安心した老後が送れるのではないでしょうか。
お金のことは一つの事例ですが、最近は親が住まなくなった家をどうするか?など、家の問題やお墓など、親と相談しておくことはたくさんあります。ぜひ、信頼関係を再度構築して家族安心して幸せにお過ごしください。
株式会社人生百年サポート 代表取締役 十川 美加
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