
写真1 まもるくんを手首に装着
「高齢化が進む中、介護用品は需要があるのではと考えました」。しかし、どんなものを作って、どこに売ればいいのかも分からない。そこで四国経済産業局が進める「健幸支援産業創出プロジェクト」を知る。同局が医療介護現場のニーズに対応したものづくりを支援するものだ。
現場に赴いたところ、使い勝手のいい抜針・抜管防止用手袋(介護ミトン)がなく、困っているという話を聞いた。介護ミトンは、点滴などの医療機器を自分で外さないよう患者の手に装着するもの。手を覆って、物をつかみにくくする。
「単純に、手袋なら作れると思ったんです」。しかし、現場で働く看護師が納得するものができるまで、何度も打ち合わせや試作を重ねた。従来のものは、ミトン自体が外れやすかったり、患者がミトン内部で指を動かせないため手指が硬直してしまったり、看護師が検査する時に着脱させにくいなどの問題があった。池田さんは、装着しやすく、かつ簡単には外れず、患者がストレスなくつけていられる介護ミトンを目指した。

写真2 ファスナーを閉じて、手を覆う。
サイズはSとLがあり、左右兼用で使える
ミトン本体は通気性の良い生地とスポンジでできており、ムレを軽減。ミトン内部にはほどよい空間があり、自由に指を動かせる。看護師は検査時に、ミトンを外さずにファスナーを開けるだけで、患者の手指を確認できる。
インターネットで販売しており、医療介護施設だけでなく、在宅介護をする人が購入することも多いという。「個人の方にも使っていただける製品ができたことで、お客様の声を直接聞けるのがうれしい。良いものを作れば売れるんだという自信にもなりました」と池田さん。今後は要望があれば、サイズやスポンジの硬さを変えたものも作っていきたいと話している。
【問い合わせ】ウインセス
TEL.087・879・0880
http://www.wincess.co.jp/
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