讃岐うどんを世界に発信したい

株式会社 さぬきシセイ 代表取締役社長 富田 安加里さん

Interview

2018.02.01

子どもの頃から、働く両親の大変さを見ていたため、家業を継ぐことに迷いがあった。しかし、東京の大学に進学し讃岐うどんの知名度の高さを知り「こんなに有名なものを製造・販売しているうちの仕事に誇りを感じた。やってみたい」と心が決まった。
小麦粉を貯蔵する巨大タンク

小麦粉を貯蔵する巨大タンク

富田安加里さん(43)が3代目となるさぬきシセイは、うどんを中心にそうめん、ひやむぎなど“乾麺”を製造・販売している。祖父母が手作業で天日干し、製造していた時代から大きく転換したのは、先代の父が県外への販売拡大を目指して工場を建設した時から。現在では、1日約15トンの小麦粉を加工できる国内有数の生産能力を誇っている。

一方で、機械化が進んでもおいしさに手を抜かないという信念は変わらない。例えば、原料は質のいい“一等粉”の小麦粉だけを使っている。それでも、お客さんに商品をお買い得な価格帯で提供できるのは、仕入先を絞り原材料を大量に仕入れ、価格を抑えられる大規模工場ならではの強みだ。
「父の時代に、乾麺の命ともいわれる乾燥工程を機械化するためのノウハウを試行錯誤して確立、工場を大きくしてくれた。いい時に引き継がせてもらったと感謝しています」

乾麺は賞味期限が長いため、遠い地域にも流通しやすい。そのメリットを生かそうと、富田さんは2005年ごろから、海外での販売拡大に取り組んだ。当時は海外展開をしているメーカーも少なく「讃岐うどん」自体が知られていなかった。中国や香港などのバイヤーを何度訪ねても、1ケースも注文がもらえない時もあった。「5年ほどたち香港で初めて大きな契約がもらえた時は、本当に嬉しかった。初めの一歩はすごく不安もあるけれど、一歩踏み出さなければ道は開けないと実感しました」

今後は、アジア圏だけではなくヨーロッパにも販路を広げていきたいという。そのため、それぞれの国や地域の、味の好みや食の風習について研究している。また、より生産性を上げるよう機械の改良も進めている。
主力商品「太麺強腰うどん」 600g250円(税別)

主力商品「太麺強腰うどん」
600g250円(税別)

主力商品である「太麺強腰(つよごし)うどん」はゆで時間約12分と、調理の手軽さでは分が悪い。「同じぐらいのゆで時間でも、パスタは調理のバリエーションが広いから消費されている。これからも乾麺のうどんを使った新たなレシピを積極的に提案していきたい。また、乾麺の原材料は小麦粉と塩と水だけ。無添加で安心な食品だということも丁寧に伝えていきたいですね」

国内での乾麺のうどんの需要は伸び悩み気味と業界全体を取り巻く環境は厳しいが「経営者は意欲を持ち続けることが大事」だという。その原動力は、社員や家族、何より大学時代から変わっていない「讃岐うどん」を誇らしく思う気持ちだ。「“讃岐うどんってこの程度なの”と思われるものは作りたくない。讃岐うどんのおいしさを世界中に知ってほしいですね」(石川 恭子)

富田 安加里 | とみた あかり

1974年 高松市生まれ
1992年 高松商業高校 卒業
1996年 中央大学商学部 卒業
    市川甚商事 入社
1998年 さぬきシセイ 入社
2005年 代表取締役社長 就任

株式会社さぬきシセイ

住所
高松市香南町由佐580-1
TEL.087・879・2279
事業概要
乾麺製造・販売
資本金
1000万円
売上
8億円
従業員
23人
地図
URL
https://sanuki-udon.co.jp/index.html
確認日
2018.02.01

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