地域の宝をジオの視点から深掘りしよう

香川大学特任教授・讃岐ジオパーク構想推進準備委員会委員長 長谷川修一

column

2026.02.19

2025年度は大学・地域共創プラットフォーム香川産学官共創チャレンジ支援補助金に採択いただき、「大地の成り立ちから香川の魅力を発見・発信する せとうち讃岐ジオパーク構想推進モデルの構築 in 小豆島」に取り組みました。これは、地域の宝として保全する価値のある地形・地質(ジオ)と、ジオとつながりの深い生態系と人の営みに関するサイトを選定し、将来ユネスコ世界ジオパークに申請するに必要なサイトのリストを作成するための基礎調査です。

このモデル事業では、土庄町、小豆島町、小豆島中央高校、四国地質調査業協会香川県支部等のご協力によって小豆島と豊島のジオサイトの候補を選定しました。また、地域の方々と専門家が協働して、サイトの大地からの物語(ジオストーリー)を創り、高校生向けのジオツアーを実施しました。ジオツアーには、香川大学認定のジオガイドも活躍しました。

ジオの視点から見ると、オリーブ公園は土石流災害の跡地を観光地に転換した誇るべき災害復興事業です。また、オリーブは土石流跡地である砂礫質の扇状地を逆手にとった名産です。「オリーブの島」の基盤は約1億年前にユーラシア大陸で誕生した花崗岩で、この花崗岩が風化したのがマサ土なのです。マサ土が除去されて地表に現れた花崗岩の玉石は大坂城の石垣の石材として切り出され、小豆島は日本遺産「石の島」になりました。そして土石流が運んでくれた花崗岩由来の砂浜の塩田に、江戸時代初期の花崗岩採石事業がもたらした醤が加わって、「醤油の島」が誕生します。

サイトは専門家だけで選定することはできません。何よりも大事なのは住んでいる人たちが地域の宝として見守り、保全していく活動です。小豆島でモデルとして出発したサイト選定・評価事業を、26年度から27年度に全県に展開したいと考えています。地域の宝をジオの視点から見直して、地球活動の遺産に高めませんか!

香川大学創造工学部 教授 長谷川 修一

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香川大学創造工学部 教授 長谷川 修一

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