高松フェストハレのステージで=高松市常磐町
目の前に“推し”がいる
フェストハレは2016年3月、音楽イベントを行うデュークが中心になって立ち上げたライブハウス。長年、テレビ番組や様々なイベントで照明の仕事に携わっていた和田さんに、旧知の仲だったデュークの会長、宮垣睦男さんから声がかかった。「『マネージャーがいないので、スタートの5年くらい面倒を見てもらえないか』と。宮垣さんとは同郷(大分)で、同じ大学に通っていた縁もあったんです」
照明の仕事をしていたとはいえ、ライブハウスを運営するのとは勝手が違う。「不安が大きかった。でも、やってみると面白いんです」。最初は、自分が持つ照明の技術で「ライブを演出してやろう」という思いもあった。だが、「いま振り返ると、なんておこがましい考えだったんだ、と思いますね」。アーティスト、音響、照明、運営スタッフ……それらは別々ではなく、“一つ”だった。「みんな同じ立場。一緒になって一つのライブをつくりあげていく。その先に、アーティスト、スタッフ、お客さん……みんなの満足があるんですよね」
ライブの様子
四国、香川の音楽文化を育んできたフェストハレは来月、開業10周年を迎える。当時、和田さんが宮垣さんと交わした「5年」の約束はとっくに過ぎている。が、「このままでは終われない。そんな『心残り』があったんです」
新型コロナウイルスだ。
観客60人……コロナ禍を乗り越えて
2020年1月に日本で初めての感染者が確認された新型コロナ。叫ばれたのは「ソーシャルディスタンス」だった。フェストハレの収容人数は、オールスタンディングで中四国最大級の約950人。しかし、「半年閉館したあと、60人で再開しました」
ライブハウス「高松フェストハレ」
この状況のまま、後進にバトンを渡すことはできない。「もうちょっとやらせてもらえないか」と宮垣さんに相談すると……
「『どうぞどうぞ、気の済むまでやってくれ』と」。和田さんは笑顔で話す。
上下真っ赤で走り回る
「10年後、もう一度演らせてもらえませんか?」
その後、四星球はフェストハレの常連バンドに。そして、シミュレーションライブからちょうど10年後の2026年3月10日、約束通り、この場所に帰ってくる。
「当時と同じ4人のメンバーで、地元を中心に今も変わらず頑張っている。こんなに感慨深いことはないですね」
最新鋭の音響、照明……どこのライブハウスにも引けを取らない
この日も取材に合わせて上下赤の和田さん。誰よりも赤が似合う75歳、だと思う。
「お客さんには何としてでも喜んで帰ってほしい。その姿を見ることで、私自身も元気をもらっています。みなさんの活力を生む“元気玉の拠点”になれるよう、これからもまだまだ頑張っていきます」
篠原 正樹
和田 年美 | わだ としみ
- 略歴
- 1950年 大分県出身
1968年 大分県立竹田高校 卒業
株式会社四国舞台テレビ照明(高知本社)勤務などを経て
2016年 高松フェストハレ 取締役総支配人
高松フェストハレ
- 住所
- 香川県高松市常磐町1-3-2
- 代表電話番号
- 087-802-2722
- 設立
- 2016年3月13日 開業
- 社員数
- 2人
- 事業内容
- 音楽ライブハウス
- 資本金
- 900万円(株式会社ヘイマーケット)
- 地図
- URL
- https://festhalle.jp/
- 確認日
- 2026.02.19
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