地上の星

四国なんでも88箇所巡礼推進協議会会長 佐藤 哲也

column

2019.08.01

うどんがなんでソウルフードになったのかといえば、やはり「うまい」「はやい」「安い」の飲食店の基本に立ち返ります。それなのに、弘法大師が大陸から伝えてきたとかという大袈裟な伝説(ちなみに伝説を真面目に検証した人の話では、国内でお大師さんが立ち寄ったといわれる場所をルートで結ぶとおよそ地球を二回りするとか?映画「復活の日」ですね。笑)とか、芸能人や有名政治家が食べにきたというような本質そのものとは何の関係もない情報やまるで根拠のない胡散臭いウンチクが蔓延してきております。

そもそも世の中の人を引きつける「本物」とは、ウケの良いレトリックやいかにもこじつけたような趣旨を用い有名デザイナーに委託した意匠を駆使して「私がプロデュースして賞を頂きましたという自分の名誉狙いの企画」では決してなく、日常生活の中で人間を観察し、その「コト」を実行に移したときに人がどう動くだろうかの人間の本質をイメージする力とそれを現実にする実行力によるものではないのでしょうか?そういう人を世のため人のために純粋な志をもってつくっていかねばなりません。今の地方にとって本当に必要なのは、自分の生き甲斐ための「コト」ではなくて、皆のために尽くせる志をもった若い「人」でしょう。

四国の未来について真面目に冷徹に思索するに付け、ばらまき以外のハッピーエンドの良い選択肢が見当たりません。本当はみなさんも、この土地にしがみついていて良いのだろうか?と厭世的になりながら、無意識のうちに、都会で就職したり海外に移住した人たちをうらやましがっているのではなかろうかと思います。今年、初詣に行った神社で、除夜の鐘を聞きながら大勢が列をなして年明けを30分前から待っていました。そのとき前にいた若者たちが友達を見つけて列に招き入れようとしたのですが、招かれた人は「後ろの人たちに失礼だから」と列に割り込むのを避けて、後ろにぺこりとお辞儀して「もっと空いている神社に行こう」と並んでいる友人を誘っていってしまいました。年の初めに良い物を見ました。こんな田舎にもこういった地上の星がある限り、もっとこの土地で頑張ろうと思うのであります。

四国なんでも88箇所 巡礼推進協議会会長 佐藤 哲也

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