
いろいろなトマト
重量のランキングはキャベツ、玉ネギ、ダイコンの順番となりますが、金額では群を抜いてトマトがトップとなります。大きさも、大玉、ミニトマト、ミディ(中玉)と様々で、色も赤だけでなく、黄色、オレンジ、緑と売り場における存在感は他の野菜と比べても群を抜いていると言っても過言ではないでしょう。特に、近年は、大玉トマトの食べ応えと、ミニトマトの味覚を併せ持つ「ミディトマト」が定着して、バリエーションの豊富さに拍車をかけています。
日本におけるトマト栽培の歴史は、実は浅く、トマトが日本に入ってきたのは、江戸時代と言われます。しかし、当時はまだ食用とはされていませんでした。18世紀後半に編纂された「高松松平家博物図譜」にもトマトは描かれていますが、「蔬菜(野菜)」ではなく、「雑草(その他の草)」の帖に描かれていることからも、当時のトマトの位置づけを想像することができます。
さて、トマトの生物学的な旬は夏であり、真夏に赤く熟れたものが想像されます。しかし、実は夏場の赤く熟れたトマトは、とても柔らかく品傷みが激しいため流通に適さないことから、残念ながら一般家庭では食べることはできません。ただ、香川県においては、観音寺市やまんのう町など、夏でも大玉トマトを生産する県内の産地があるほか、ミニトマト、ミディトマトなども一年を通じて生産されていることから、夏場においても味の乗った地場のトマトを食べる機会に恵まれているのです。
野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん
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