「讃岐の食文化」の素朴な疑問⑧

野菜ソムリエ上級プロ 末原 俊幸

column

2022.11.03

学校給食に「しっぽくうどん」というメニューがあるんですね。

讃岐を代表する食文化である「讃岐うどん」

讃岐うどんの特徴は、「材料はシンプルにもかかわらず、麺、出汁ともに抜群の美味しさを作り上げている」ことの他、様々なメニューがあり、それぞれに好みの食べ方が存在することが挙げられるのではないでしょうか。

さて、その数あるメニューの中で、県外の方が、名前を聞いても料理の完成図を連想できないものがあります。それが「しっぽくうどん」ではないでしょうか。

しっぽくうどんとは、季節の野菜(ダイコン、ニンジン、ゴボウ、サトイモなど)、鶏肉、豆腐や油揚げを食べやすい大きさに切り、しょうゆで煮込んだ出汁を、温めたうどんにかけていただく料理です。

香川県では、冬場の定番料理で、うどん屋さんでも冬が近づくと「しっぽくうどん始めました」というPOPが張られます。

また、冬場に限らず、春には春の野菜(タケノコや玉ネギ)、夏場には夏の野菜(ナス)を煮込むと、その季節らしいしっぽくうどんになります。野菜がたっぷり入ったうどんですので、冬場と言わず食べていただきたいメニューです。

県外の方に「しっぽくうどんとは何物か?」と問われた際は、「野菜煮込みうどん」と説明すると伝わりやすいと思います。

ちなみに、京都府などにも「しっぽくうどん」が存在するのですが、これは、かけうどんの上に、シイタケや卵焼きなどをのせた、いわゆる「五目うどん」のような料理で、香川県のしっぽくうどんとは全く異なる料理となります。落語の「時蕎麦」にも、「しっぽく」というメニューが出てきますが、これも、こちらに近い料理なのでしょうね。

野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん

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野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん

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