未来の人づくりに貢献する
地域に根差した施設に

高齢・障害・求職者雇用支援機構 香川支部 支部長 西村 憲幸さん

Interview

2026.02.19

香川県高松市にあるポリテクセンター香川は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構香川支部が運営する職業訓練施設。求職者の再就職支援や、在職者向けのスキルアップ講座、障がい者支援など、多彩なプログラムを通じて地域の人材育成を担っている。

「訓練生が前向きに学び、個々の持ち味を伸ばせる環境を整えたいです」と穏やかに語るのは、2024年に所長として着任した西村憲幸さん。長年培った調整力と温かな人柄で、現場の要を担っている。

現場に寄り添い続ける 「縁の下」の実行力

佐賀県出身の西村さんは、大学卒業後に当時の雇用促進事業団に入団。関西職業能力開発センターで経理や施設運営を経験し、その後は別組織だった高齢・障害者雇用支援機構へ出向。人事や福利厚生に携わり、現場感覚と制度運用の両面に通じる人材として評価を高めていった。

2011年の組織統合という節目では、制度も文化も異なる組織間の橋渡し役として奔走。「どちらの事情もくみ取りながら、丁寧に進めていきました」と振り返る。柔らかな対話力と冷静な判断で、統合の現場を支えた。

その後は熊本・宮崎支部を経て、2018年に福岡、2021年に米子へ。印象深いのは、やはりコロナ禍での対応だという。訓練休止は給付金や就労支援にも直結するため、簡単に判断できない。総訓練時間を守るため、休日への振替やカリキュラム再構成に追われた。中でも苦労したのは防塵マスクの確保。講師と街を歩き回り、何とか訓練を止めずに乗り切った。「支えてくれた職員には本当に感謝しています」と西村さんは静かに語る。

「誰ひとり取り残さない環境を守る」。その信念を胸に現場と向き合ってきた経験は、今も変わらぬ原動力となっている。香川では老朽化した施設の建て替えを主導し、新たな訓練拠点として始動。「地域の方にとって身近な存在になれたら」という言葉通り、若者から高齢者、障がい者まで一人一人に寄り添いながら、就労支援や職業訓練、アビリンピックの開催など多角的な支援に取り組む。「香川から全国に先駆けたモデルをつくっていければ」と力を込める。

いつでも「協調性」を大切に 穏やかな空気で人をつなぐ

職場では「仕事で一番大切なのは協調性」と、率直なコミュニケーションを大切にしている。若手職員ともざっくばらんに会話し、飲み会では場を和ませるなど、自然と人を惹きつける存在なのだとか。

西村さんの穏やかな人柄は、趣味にもよく表れている。学生時代はギター・マンドリンに親しみ、社会人になってからは尺八を20年以上。最近はブルースハープにも惹かれ、師匠の下での練習に熱を入れているそうだ。「休日はカラオケボックスで一人稽古もしているんです」と、少し照れたように笑う表情が印象的だ。

さらに、香川に赴任してからは、四国八十八ヶ所を巡る旅もやり遂げた。赴任した土地にじっくりと向き合うその姿勢には、西村さんの生き方そのものがにじんでいる。「オンもオフも穏やかな歩みで(笑)。これからも地域の『人づくり』を静かに支え続けていきたいですね」と目を細めていた。
「音楽は心のリズムを整えてくれます」と語る西村さん。趣味のブルースハープにも熱が入る。

「音楽は心のリズムを整えてくれます」と語る西村さん。趣味のブルースハープにも熱が入る。

西村 憲幸 | にしむら のりゆき

略歴
1971年 佐賀県生まれ
1994年 山口大学卒業
1994年 雇用促進事業団入団
2006年 高齢・障害者雇用支援機構に出向
2010年 雇用・能力開発機構 総務部改革実施本部準備室 専門役
2011年 高齢・障害者・求職者雇用支援機構熊本支部
    ポリテクセンター熊本 求職者支援課長
2015年 同 宮崎支部 総務課長
2018年 同 福岡支部 ポリテクセンター飯塚 調査役
2021年 同 鳥取支部 ポリテクセンター米子 センター長
2024年 同 香川支部 支部長

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