なせば成る なさねば成らぬ何事も―

日本通運 執行役員 四国支店長 竹津 久雄さん

Interview

2012.04.19

去年6月に四国支店長に就任。高松暮らしは10カ月が過ぎた程度だ。「まだまだ趣味にゆっくり時間を費やせるほどの余裕はないですね」と笑う。「根っからの仕事人間だと思います。とにかく仕事が好きなんですよ」

仕事人間です!

とは言っても、いろいろと趣味を持つ。例えば読書。「SFや推理小説が好きです。荒唐無稽な世界は、いろいろと想像が広がりますよね」。映画も月に2本は見る。「映画館の大きなスクリーンで派手なアクションシーンを見るとスカッとします」。釣りもするし、ウォーキングやうどんの食べ歩きもする。しかし、趣味というには、少し意味合いが違うようだ。

「何をするときでも、いつも仕事のことを考えているんです。なかなか没頭できないですね」。そして、こう加える。「趣味というよりは、ちょっとした気分転換ですかね。休息の時間は私にとっては、仕事を一生懸命やるための『充足の時間』なんですよね」。確かに、仕事人間だ・・・。

おばあちゃんの教え

常に心掛けている格言がいくつかある。

「断じて敢行すれば鬼神も之を避く(固い決意で行えば、何ものもそれを妨げることはできない)」、「人間至る処青山あり(大志を抱いて故郷を出て、大いに活躍すべきである)」・・・。

これらは書物などから学んだものではない。教わったのは「おばあちゃん」から。幼稚園や小学校に通っていた頃の話だ。「当時はさすがに全く意味が分からなかったです(笑)。とても厳しくて勉強熱心な人でした。母の実家に遊びに行くと、いつも諭すように教えてくれた多くの言葉が、今の私の根っこの部分にありますね」。中でも印象深い言葉がある。

「なせば成る、なさねば成らぬ何事も、成らぬは人のなさぬなりけり」

どんな状況で教わったんですか?「おそらく、『ダメだ、できない』って、何かをあきらめようとしていた時でしょうね」。懐かしそうに当時を振り返る。「今でもたまに、『ダメかな…』と思うことはあります。でも、『切り口を変えてみよう、別の方向から探ってみよう』と、いつも考えますね。壁にぶつかると」

決してあきらめない―。とても厳しかった、そして、孫を鍛えようとする優しさを持った、おばあちゃんが遺してくれた大切な教えだ。

これまで20回近く転居している。海外を含め、様々な所で多くの人と出会った。学校の先生、職場の上司や同僚、お客さんやビジネス書などから、様々なことを教わったが、「小さい頃教わったのと同じことじゃないか」と不思議な感覚に陥ることも多かったそうだ。

あきらめないために

四国内5つの支店、1300人もの大所帯を束ねている。「自分の考えていること、『四国支店はこうあるべきだ。頑張ろうぜ』というのを伝えていくのは本当に難しいですね」と話しつつも、理解してくれる人、行動を起こす人が少しずつ増えてきた、と頬を緩める。

「お客様の一番の希望は何か、その本質をつかんで、解決策を見つけて提案する。そして、結果を残す。そういった『実行する力』、『やり抜く力』をみんなには身につけてほしいですね」。そして、力強くこう加えた。「その力がないと、あきらめてしまいますもんね」

竹津 久雄 | たけつ ひさお

略歴
1958年 1月18日 京都市生まれ
1981年 3月 九州大学法学部 卒業
1981年 4月 日本通運株式会社 入社
2002年 2月 大阪支店 総務次長
2004年 6月 本社 総務・労働部人事専任部長
2007年 5月 金沢支店長
2009年 5月 本社 業務部長
2010年 6月 現職

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