趣味の釣りを復活し 小型船舶免許とるぞ

サントリーフーズ 四国支店長 寺坂 博一さん

Interview

2012.07.05

四国は願ってもない赴任先だ。小中学生のころ、毎月のように大阪から和歌山まで仲間とともに海釣りに通っていた思い出が一気によみがえった。小型船舶操縦免許取得のため受ける講習の準備をしたり、高松の鮮魚店に瀬戸内の魚を見に行ったり、夢を実現できそうな環境になったからだ。

着任後すぐに朝礼開始

サントリーグループの中で清涼飲料を販売するサントリーフーズの四国支店8代目の支店長。今年4月に着任したばかりだ。暑い夏に向かう今からが正念場。「缶コーヒーのBOSSが今秋、発売20年をむかえます。記念の大キャンペーンを計画しています」

着任して直ぐに朝礼を始めた。4県を持つエリア責任者は四国支店長だけ。愛媛県や高知県を担当する社員は月曜に支店に顔を見せたあと、現地に出張し、ホテル暮らしをしながら営業活動し、金曜日の夕方に支店に帰る。朝礼は月曜の朝しかない。輪番で支店員が司会をつとめ、仕事のことでも、仕事以外のことでも、自分が最近考えていることを3分間話す。あとは、その時その時の業務について支店長として伝えておかないといけないことを簡単に述べるだけの朝礼だが、しゃべる番にあたった支店員は日ごろ考えていることを言葉にしなくてはならないので支店のなかのコミュニケーションが活発になったように感じている。

酒類を扱うサントリーで営業と企画畑を歩いてきた。社会人になってからの趣味は料理。毎週末の土日は必ず、昼食と夕食を妻と息子のためにこしらえた。せっかく四国に赴任したんだから、自分で釣った瀬戸内の魚を料理して、食卓に並べたい、と思っている。四国、高松に来て驚いたのは、サワラを刺身で食べること、高知ではカツオを塩タタキにすること、香川の骨付き鶏に「おや」と「ひな」があることの三つ。みな料理であり、食材だ。料理好きの心が躍る。

中学生のころは大人になったらクルーザーを買って、休みは海のうえで釣り三昧の生活をしたいと夢見ていた。「クルーザーは買えませんが、小型船舶免許を取って休みの日は釣り船を借りて漁に出ようと思っています」。四国に暮らす小さな夢が膨らむ。

四国八十八ヶ所を下見

「BOSS」や「伊右衛門」はサントリー食品が製造しているのは消費者に知られているが、サントリー製だということがあまり知られていない商品もある。次から次へと新商品は出ても、コンビニなどで消費者が手にしないと即、陳列棚から下される厳しい業界。「ブランドにするのは、容易なことではないのです。消費者がどの飲料メーカーがつくっていると記憶している商品はそれだけで大変なこと」と説明する。

「清涼飲料は商品を1000出して、残るのはせいぜい3つ、と言われる業界です。いろんな種類の商品が一つでも多く四国の消費者に根付くようにするのが仕事です」。四国にいる間は釣りと料理で英気を養いながら、定年後、ぜひ実現しようと思っている歩き遍路をするために四国八十八ヶ所を下見している。

寺坂 博一 | てらさか ひろかず

略歴
1960年 2月2日 大阪府大阪市生まれ
1983年 3月 神戸大学経営学部 卒業
1983年 4月 サントリー株式会社 入社
1999年 10月 大阪支社営業課長
2002年 4月 九州支社企画課長
2004年 9月 近畿営業本部営業企画部長
2007年 9月 サントリーフーズ株式会社へ出向
      近畿支社企画部長
2012年 4月 四国支店長

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