現場目線から経営を支える

医療法人歯っぴー ごうだ歯科グループ 総監督 髙島 千裕さん

Interview

2023.05.04

虫歯に悩まされたこともなく、歯医者にかかる習慣がほとんどなかったという髙島さん。高校卒業後、無資格でもできる「人とかかわる仕事」であることに目を留めて、歯科助手の道を選んだ。「専門的な技術を持たないからこそ、患者さんに最も近い感覚で寄り添えるんです。そこが私たちの強みだと思っています。専門職へのリスペクトを大事にすると同時に、歯科助手だから見えることもあると発信したい」

誰よりも現場で動く!

年数回はグループ全体の交流会も実施

年数回はグループ全体の交流会も実施

ごうだ歯科グループが運営する丸亀ごうだ歯科医院で歯科助手として働き始め、2年目でチーフに抜擢。さらに、2021年には「総監督」に任命された。

同グループでは、「働きやすさ」以上に「働きがい」に重点を置き、一人一人の興味関心を後押ししてモチベーションを高めていくことで、スタッフが主体的に活躍できる独自の組織づくりを進めている。この人材育成の考え方をグループでは「AKB式マネジメント」と称し、メンバーの意見を取りまとめて経営陣とつなぐ役割を担うのが「総監督」だ。髙島さんは現場で歯科助手の仕事をこなすかたわら、本院と3つの分院を含めた約100人のスタッフとコミュニケーションをとり、法人全体のマネジメントに携わることになった。

メインで連携するのは各院のチーフ級だが、顔を合わせたスタッフとは必ず会話するよう心掛け、現場のアシストについて積極的に動く。一人一人の得意不得意を把握し、配属や研修の人選を経営側に提案することもある。「人を観察するだけでなく、現場を知らないとだめですね。指示や提案をするなら、誰よりも現場で動かなくては」。総監督になっても、歯科助手の仕事に軸足を置く気持ちは変わらない。

組織改善に取り組む中で、各院にそれぞれ個性があり、雰囲気やこだわりが違うことも見えてきた。「現場の頑張りが改善活動を支えてくれていますから、グループの根幹にかかわる重要な方針は共有しながらも各院の個性を尊重しています。大変だけど、とても楽しい!」と笑顔。4つの院を飛び回る日々の中でも、やはり「ホーム」は丸亀ごうだ歯科医院だという。「しばらく他の院にいて久しぶりに戻ってくると、みんな喜んで迎えてくれます。一緒に仕事をすればするほど、心が通じるというか、私が何を考えて動いているかを的確に汲んでくれるスタッフも増えました。総監督をやっててよかった!と思う瞬間です」

一人一人の個性が医院全体を豊かに

資格を持たず高卒でも、頑張り次第でチーフになれるし経営にもかかわれる。そんな髙島さんの姿は後輩も刺激し、トリートメントコーディネーターや保育士などの資格を生かして自分なりにやりたいことを提案するスタッフが現れ始めた。「歯科助手や受付の仕事にプラスアルファでその人らしい道を拓けば、院全体の幅が広がっていきます。私が今も憧れの先輩の背中を追い続けているように、私自身も誰かのモデルになれたらうれしいですね」と語った。

戸塚 愛野

髙島 千裕 | たかしま ちひろ

略歴
1993年 香川県生まれ
2012年 香川県立琴平高等学校 卒業
2014年 医療法人歯っぴー 丸亀ごうだ歯科医院 入社
2017年 同法人 同医院チーフ
2021年 同法人 総監督

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