はかりの精度を守り商業を支える
計量士を「憧れのヒーロー」に

讃光工業 品質保証安全管理担当課長 串田 佳応さん

Interview

2026.02.19

重さ・長さ・体積・温度・濃度など、さまざまな数値を正確にはかる測定器を「計量器」と総称する。日常生活はもちろん、産業・商業活動においては企業の利益を左右することもある重要なアイテムであり、その精度は国家資格者「計量士」が中心となって管理している。有資格者は2023年現在全国約7000人、社会と産業になくてはならない存在だが、まだまだ知名度は低い。

1948年創業、産業用計量器や計量システムのメーカーとして「はかりが起点。展開するのは、人と技術。」をメインテーマに事業を展開する讃光工業は、今年1月、ユニークなPRプロジェクト『計量戦隊ハカルンジャー』を発表した。自社社員をモチーフとするキャラクターを軸にコンテンツを作り込み、計量士の地位向上を目指す取り組みだ。

計量士は、生産工場や販売店などで重さ・長さ・体積・温度などの計量管理を担う「一般計量士」と、工場や建設現場で大気・水質・騒音・振動などの環境測定管理を担う「環境計量士」に大きく分かれる。計量関連企業、官公庁の計量測定分析関連部署、計量士事務所などに所属し、計量器による計量測定や計量器の精度管理、現場の技術指導などを主に担当。計量器を「使う」側だけでなく、讃光工業のように計量器を「つくる」側でも、技術的・法的根拠を支える専門家として存在感を発揮する。

一般計量士の重要な業務の一つが、2年に1度の「商業用はかり」の法定検査だ。計量器は使っているうちに狂いが生じる場合があり、一見問題なく動いているように見える計量器が本当に正確かどうかは、計量士が見極める必要がある。小売、調剤、郵便・運送業などで使用する小型はかりから、農業や国内外の物流貨物を計量するトラックスケールまで、「重さ」を基準に価格が決まる商取引の現場では、法定検査に合格した計量器しか使えない。

「車検に合格していない自動車には乗れないのと同じです」と、讃光工業品質保証安全管理担当課長の串田佳応さん。同社で最古参の計量士だ。「数値の正確さだけなら、正しい重さの分銅を使えば誰でも判定できるでしょう。しかし目的に応じて異なる計量器の構造や機能に精通し、法律の知識を持ち、それぞれの精度をきちんと説明して必要な提案ができるのは、計量士ならではの職能です。私たち計量士は、利益に直結する機器の精度を守るプロといえます」

『ハカルンジャー』のキャラクターのモチーフは、同社で現在活躍している計量士たち。数年前にプロジェクトを立ち上げ、今年1月にお披露目したばかりだ。2月中に動画配信サイトで主題歌の配信を開始するほか、アニメーション第1話も近日公開予定だという。

根底にあるのは、計量士の高齢化と人材不足が業界全体の課題となる中で、存在を広く知ってもらうきっかけにしたいという同社の思い。まだ一般的に馴染みの薄い計量士を「陰の正義の味方」として大きく打ち出すことで、計量業界の発展と計量士の知名度向上に、独自のアプローチで挑もうとしている。

戸塚 愛野

讃光工業株式会社

住所
香川県さぬき市長尾西877
代表電話番号
0879-52-2591
設立
昭和23年4月30日
社員数
69名
事業内容
システム機器/農業関連事業/建設関連事業/一般・食品関連事業/プラント/研究/開発
地図
URL
https://www.sanko-scl.co.jp
確認日
2026.02.19

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