現在は、素形材・鋳造・生産技術・研究の4本柱を軸に事業を展開。「鋳造とは太古のものづくりから受け継がれてきた技術の一つ。自動車、船舶、農機、建機、広くはインフラ、古くは奈良の大仏まで、多種多様な産業が対象です」。それらの鋳造の「工程」にアプローチするのが同社の仕事。「型に使った砂は再利用し、鋳物も再度溶かせば違う役割に生まれ変わりますから、循環するエコな産業でもありますね」
溶かした合金を流し込む型にも、砂は使われている。特に空洞のある鋳物をつくるのは、製品を固めた後で崩すことのできる砂型にしかできない。砂、ベントナイト、樹脂、合金など鋳造に必要な資材全般を扱う鋳造部門と、設備機械の設計・メンテナンスも手掛ける生産技術部門が、鋳物メーカーのものづくりを支える。
先行きが不透明で将来の予測が困難な「VUCA時代」に応えるため、新しいものを生み出す研究開発の核となるのが、研究部門だ。1400度の熱に耐える砂型でも難しかった鋳鋼の鋳造には、砂型の強度・耐火度を上げる塗装技術「塗型」を確立して応えた。世界各地の砂の分析や、用途別の適性を調べるといった基礎的な研究も進めている。
九十九さん自身、上級鋳造技士の資格者だ。電気電子工学を修め、アメリカ留学や国内大手電機メーカーでの経験を経て、12年前にツチヨシ アクティに入社。国際青年会議所の活動にも携わって世界各地で人脈を広げた。「あちこち首を突っ込んで、吸収したことを応用できないか考えるのが好き。思いがけず自分に深いゆかりのある物事に出合うことも多くて、不思議なご縁を感じます。出会いを大事にしながら、まだまだ学び続けていきたいですね」
九十九 太治 | つくも たいぢ
- 略歴
- 1984年 高松市生まれ
2010年 株式会社ツチヨシ アクティ 入社
2022年 専務取締役
株式会社ツチヨシ アクティ
- 住所
- 香川県東かがわ市大内200番地16
- 代表電話番号
- 0879-23-1771
- 設立
- 2000年12月5日
- 社員数
- 80名
- FAX
- 0879-25-7790
- 地図
- URL
- http://www.tyco-acty.co.jp/
- 確認日
- 2022.06.02
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