
2つの熱交換器のメリットを併せ持つ
熱交換器は、用途や熱交換の対象となる物質によって構造が違う。
一般的によく使われる構造に「シェル&チューブ式」と「プレート式」がある。シェル&チューブ式は、太い空洞の円筒(シェル)の内側に円管(チューブ)が何本も束になって入っており、シェルとチューブに高温と低温の流体(液体または気体)をそれぞれに流すと温度差で熱交換が進む。低温から高温、高圧力など幅広く対応できる一方、サイズが大きくなる傾向がある。
プレート式は金属のプレートを、すき間を空けて並べ、その上下の穴に通したパイプに温度の違う流体を交互に流すことで熱交換を行う。2つの流体の温度差が少なくても効率よく熱交換できるため、サイズが小さくてすむ一方、メンテナンスが難しい面もある。→ひと言解説
その「シェル&チューブ式」と「プレート式」のメリットを併せ持つのが、三和テスコが扱う「プレート&シェル熱交換器」だ。
コンパクトで高効率が特徴
熱交換器に使う機器の一部、プレートパックはフィンランドのバーテルス社から仕入れ、それをもとに三和テスコでは、設置する場所や用途に合わせて仕様を設計・カスタマイズできるのが強みだ。
顧客のニーズは多様だ。例えば「内部に流す特殊な液体を捨てることなく解体・メンテナンスできないか」「熱交換で取り出した蒸気からさらに水分をなくし、完全な気体にできないか」など。まずは、顧客のニーズに応えるには何が必要かを技術的に理解した上で、最適な形、大きさ、素材を導き出す。要望を形にできる溶接技術の高さも三和テスコの特徴だ。
カスタマイズすれば、当然費用は高くなる。それでも、使い勝手のよさとメンテナンスのしやすさ、耐久性の高さが支持され、三和テスコの熱交換器は、化学品工場、エネルギー施設、船舶など、さまざまな場所で活躍している。
キーワード
熱移動

プレート&シェル熱交換器の構造
熱交換器の仕組み

(左)一般的なプレート式/(右)一般的なシェル&チューブ式
スタッフ・メッセージ

橋本祐樹さん
津田高校出身
株式会社 三和テスコ
- 住所
- 香川県高松市朝日町4丁目11番67号
- 代表電話番号
- 087-821-4431
- 設立
- 1948年
- 社員数
- 85人
- 代表取締役
- 釆女 信二郎
- 資本金
- 6,000万円
- 事業内容
- 船舶用ディーゼルエンジンベッド製作
各種プラント設計・製作、ナイアス製作
プレート&シェル熱交換器製作 他 - 沿革
- 1918年 創業
1948年 株式会社木目鉄工所 設立
1955年 三和鉄工株式会社に改称
1992年 株式会社三和テスコに改称
2003年 ポエック(株)グループに加入
2009年 熱処理工場を新設する
2015年 郷東町に工場用地を購入し、大型製缶工場(郷東工場)を建設する
2019年 (株)ミモトを吸収合併し、坂出工場とする - 地図
- URL
- https://www.sanwa-tesco.co.jp/
- 確認日
- 2021.09.14
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