独自の発酵技術で、未知なるお米の可能性に挑む

勇心酒造

Tec✕Tec

2022.05.19

「日本型バイオ」でお米に新たな価値を

自然界に生きる微生物の力を活かし食品などを生産する「発酵」は、太古の昔から日本で行われてきた。微生物が持つ特性をありのまま生かすため、温度や湿度といった条件を試行錯誤しながら仕込みを行う。

そういった東洋の醸造発酵技術に加え、バイオサイエンスをはじめとした西洋の科学技術を取り入れて完成したのが勇心酒造の独自技術である「日本型バイオ」だ。1854年創業以来、160年以上造り酒屋として醸造発酵技術を磨いてきた勇心酒造は、その高度な技術をベースに、お米に秘められた可能性の研究を1970年代から開始。高い機能を持ったエキスを開発することに成功した。この革新的な技術で、研究開発型企業として進化した。

“生かされている”という哲学をもとに

開発された「ライスパワーエキス」は、国産のお米100%を微生物の力で発酵させる点では酒と同じだ。ただ、組み合わせる麹菌、酵母、乳酸菌などを様々に変え、さらに発酵期間も変えながらお米の未知なる可能性を探っていき、ようやく抽出されたのがライスパワーエキスだ。このエキスは、化粧品や日用品、食品などの原料として実用化されている。

製法の違いによって、全く違う機能をもつライスパワーエキスがつくられ、それぞれに「No.」がついている。中でも、ライスパワーエキスNo.6とNo.11は、医薬部外品「新規効能」として厚生労働省に認可されている。

新規効能は、戦後の薬事法制定以来、現在まで5つしかなく、そのうちの3つの認可を勇心酒造が取得している。ライスパワーエキスは、大手化粧品メーカーをはじめ、様々なジャンルで広く採用され、素材・化粧品メーカーとしての地位を確立した。

原点である造り酒屋の使命は「お米に付加価値をつけて世に出し、地域に貢献する」。地域に、自然に、人に“生かされている”という考え方と高い技術力を、商品開発・製造に生かすだけではなく、「ライスパワープロジェクト」として発展させ、資源・環境問題への取り組み、地域の活性化、日本文化の再発掘・深化にも力を入れている。

◆キーワード


新規効能

化粧品」は美しく見せることなどを目的としたもの。「医薬部外品」は多くが「薬用化粧品」と表示され、「有効成分」を含有する。新規効能は、厚生労働省が示す「医薬部外品」の効果効能のリストにないもので、効能が新たに認められたものを指す。現在認められている効能は5つで、そのうち3つが勇心酒造のライスパワーエキスによるものである。


ライスパワーエキスの種類と効果

No.6 皮脂分泌の抑制【医薬部外品有効成分】
過剰な皮脂分泌を抑制し、皮脂が原因となる様々な肌トラブルの根本へアプローチ。分泌される皮脂そのものの量を抑制するため、皮脂トラブルを繰り返さない健やかな肌へと導く。厚生労働省から医薬部外品の新規効能「皮脂分泌の抑制」効果を認可された唯一の有効成分。

No.11 皮膚水分保持能の改善【医薬部外品有効成分】
肌の水分を保つ力「水分保持能」を改善し、様々な肌トラブルの根本へアプローチ。自らのセラミド(細胞間脂質)を増大させ、バリア機能の整った本来の健やかで強く美しい肌へと導く。厚生労働省から医薬部外品の新規効能「皮膚水分保持能の改善」効果を認可された唯一の有効成分。

◆スタッフ・メッセージ

ライスパワーエキスをつくり、エキスを化粧品などに製剤、容器への充填と箱詰めまで自社で一貫して製造しています。「高い品質の商品をつくり、届ける価値があるものだけを届ける」というコンセプトのもと、お客様の手元に届く一つひとつを間違いのないものにするため、責任感と誇りをもって仕事をしていいます。それぞれの工程の社員が主体的に、より良い商品づくり、現場づくりに努めています。

総務部
浦田堅人さん
坂出第一高校出身

勇心酒造株式会社

住所
香川県綾歌郡綾川町小野2088-1
代表電話番号
087-876-4111
社員数
120人
創業
1854年(安政元年)
設立
1979年
資本金
1,000万円
売上高
32億円(2020年6月)
事業内容
清酒製造販売、米醸造発酵製品製造販売、
化粧品製造販売、医薬部外品製造販売
地図
URL
http://www.yushin-brewer.com/
確認日
2021.09.09

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