製缶一筋61年、磨き続けた職人の五感

竹田 忠(たけだ・ただし)さん/株式会社三和テスコ 製造部鉄工班

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2022.10.06

1946年に宇多津町で生まれ、15歳で入社。ハイレベルな製缶技術を生かして船やプラント、ロケット関連部品などのさまざまなオーダーメイドを手掛ける同社の製造現場で、61年にわたって腕を振るってきた。現在、キャリアは社内最長。同社のコアとなる溶接・加工・組立技術のうち、金属を設計図通りの形・寸法に加工する工程を担当している。同じものを二度つくることはほとんどない。金属が溶接時にどのくらい縮むかまで見極めて、誤差±5ミリレベルの精度で仕上げていく。「1メートルで1~2ミリは縮む、と教わりました。スケールが大きくなるともっと縮む。そこまで計算するのが職人の経験と勘です」。

入社当時は知識も経験もなく、3年ほど先輩の指導を受けたが、先輩の入院をきっかけに自分が責任を持って仕事を進めていく覚悟を決めた。79年には香川県技能検定協会の技能検定に社内で唯一合格するなど、日々の業務の中で着実に技術力を磨き、難しい案件も安心して任せられると周囲も信頼を寄せる。「人の仕事にはあまり口を出さないようにしている」と控えめながら、後輩たちの質問には丁寧に対応。素質を見込んで指導した若手は、現在班長を務めるまでに成長した。

一番うれしい瞬間は「製品が出来上がった時」。かつて手作業で行っていた工程が機械の進歩で便利になっていくのを体感する一方、つくるもの自体の難易度も上がってきたと感じている。「いまだに難しいことはありますよ。でも現場で体を動かすのは張り合いがあるし、ケガに気を付けつつ、体が動くうちはまだまだやりたい」と語った。
竹田さんが手掛けた製品

竹田さんが手掛けた製品

株式会社 三和テスコ

住所
香川県高松市朝日町4丁目11番67号
代表電話番号
087-821-4431
設立
1948年
社員数
85人
代表取締役
釆女 信二郎
資本金
6,000万円
事業内容
船舶用ディーゼルエンジンベッド製作

各種プラント設計・製作、ナイアス製作

プレート&シェル熱交換器製作 他
沿革
1918年 創業

1948年 株式会社木目鉄工所 設立

1955年 三和鉄工株式会社に改称

1992年 株式会社三和テスコに改称

2003年 ポエック(株)グループに加入

2009年 熱処理工場を新設する

2015年 郷東町に工場用地を購入し、大型製缶工場(郷東工場)を建設する

2019年 (株)ミモトを吸収合併し、坂出工場とする
地図
URL
https://www.sanwa-tesco.co.jp/
確認日
2021.09.14

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