コロナ禍の「影響が継続」は76.5%。前回調査から2.3ポイント増加
第23回「香川県新型コロナウイルスに関するアンケート」調査

東京商工リサーチ

Research

2022.10.06

コロナ禍の「影響が継続」が76.5%、2.3ポイント増加

企業活動の影響について「影響が継続している」と答えた企業が76.5%に達した。前回調査(6月)は74.2%だったが2.3ポイント悪化した。一方、「影響が出たがすでに収束した」は7.4%(5社)で、前回調査(12.9%)から5.5ポイント下落した。

規模別では、「影響が継続している」は大企業で60.0%(5社中、3社)なのに対し、中小企業は77.8%(63社中、49社)だった。前回調査では、それぞれ66.7%、74.6%で中小企業が3.2ポイント悪化した。

7月の売上高、46.9%が前年割れ

2022年7月の売上高は、前年同月(21年7月)を「100」とすると、どの程度か聞いた。Q1で「影響が継続している」、「影響が出たがすでに収束した」と回答した企業のうち、49社から回答を得た。「100以上」は53.1%(26社)で、46.9%が前年割れ(減収)だった。前回調査(6月)では、それぞれ54.2%、45.8%だった。

規模別の「減収企業率」は、大企業が100.0%(2社中、2社)なのに対し、中小企業は44.7%(47社中、21社)だった。前回調査では、それぞれ0.0%、46.8%で、コロナ第7波は中小企業よりも大企業に影響を与えているようだ。

在宅勤務、「現在、実施している」が13.3ポイント増加

在宅勤務を「現在、実施している」は、29.4%(68社中、20社)だった。前回調査(6月)は、16.1%で13.3ポイント増加した。一方、「実施したが取りやめた」は23.5%(16
社)だった。前回調査(19.4%)から4.1ポイント増加した。緊急事態宣言やまん延防止などの行動制限はないものの、感染第7波を受けて自主的に在宅勤務を復活させた企業もあるようだ。

規模別では、大企業で「現在、実施している」は60.0%(5社中、3社)だったのに対し、中小企業は27.0%(63社中、17社)だった。前回調査では、それぞれ66.7%、13.6%で、実施する中小企業が大幅に増加している様子が窺われる。

「廃業検討率」は4.7%、1.2ポイント悪化

コロナ禍の収束が長引いた場合、廃業を検討する可能性が「ある」は4.7%(64社中、3社)だった。前回調査(6月、3.5%)から1.2ポイント悪化した。

規模別では、大企業で「ある」と回答した企業は0.0%(5社中、0社)、中小企業は5.1%(59社中、3社)だった。

借入金の返済、中小企業の26.8%が「懸念あり」

借入金の返済見通しについて、コロナ禍直前(20年1月頃)と現在で返済見通しに変化はあるか。借入金のある44社から回答を得た。「コロナ禍直前は返済に問題なかったが、現在は懸念がある」と「コロナ禍直前から返済に懸念があり現在も懸念がある」を合計した「懸念あり」は、大企業で0.0%(3社中、0社)なのに対して、中小企業では26.8%(41社中、11社)だった。

ワクチン接種の浸透や感染防止策が進んでいるものの、コロナ感染第7波を防ぐことは出来なかった。感染防止と社会経済活動の両立を目指してはいるが、コロナ禍の企業活動への影響割合や前年同月との売上高を比較した「減収企業率」、廃業を検討する可能性を聞いた「廃業検討率」は前回調査(6月)より悪化した。行動制限の有無にかかわらず、感染者数の増減が企業活動に影響することが改めて浮き彫りとなった。

足元では原材料高や最低賃金の引き上げ、エネルギー価格の高騰など、企業活動を取り巻く環境はコロナ以外でも深刻さを増している。コロナに対する警戒感が行動制限の解除や時間の経過とともに緩和されるほど、金融機関や再生実務家、伴走支援者は、企業と深度ある対話がより一層必要になりそうだ。

東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 有馬知樹

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