前年同期比22件の増加、過去10年間で最多
香川県企業倒産状況 2023年上半期(2023年1月~6月)

東京商工リサーチ

Research

2023.09.07

負債総額は前年同期比35億500万円増

2023年上半期(1~6月)香川県企業倒産(負債総額1,000万円以上、内整理を含む)は34件、負債総額63億7,800万円。倒産件数は前年同期比22件増、負債総額は前年同期比35億500万円増。上半期における件数34件は、過去10年間で最多。12年の35件に次ぐ件数。負債総額63億7,800万円は18年の82億2,900万円に次いで過去10年間で2番目。
市郡別では、最多は高松市の20件、さぬき市・三豊市が各3件、丸亀市・坂出市・綾歌郡が各2件、観音寺市・仲多度郡が各1件だった。善通寺市・東かがわ市・小豆郡・木田郡・香川郡については今年も前年も発生はなかった。

原因別では、販売不振が32件で最多、放漫経営が2件だった。

産業別では、製造業が8件と最多、建設業が7件、小売業が6件、サービス業他が5件、運輸業が3件、卸売業が2件、金融・保険業・不動産業・情報通信業が各1件だった。

形態別では、法的倒産が33件(破産31件、特別清算2件)、私的倒産が1件(銀行取引停止1件)だった。

従業員別では、5人未満が25件、5人以上10人未満が5件、10人以上20人未満が2件、20人以上50人未満・50人以上300人未満が各1件だった。

負債総額別では、1千万円以上5千万円未満が16件、1億円以上5億円未満が11件、5千万円以上1億円未満が4件、10億円以上が3件だった。

倒産件数34件の内、新型コロナウイルス関連は17件だった。

件数は34件と前年同時期の2.8倍

香川県の22年(1月~12月)倒産件数は27件と1971年の集計開始以来最少となるなど、コロナ禍の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)が倒産抑制に大きな効果を生んだと見る。しかし2022年12月以降、県内の倒産件数は7カ月連続で前年同月を上回っており、23年上半期の件数は34件と前年同時期の2.8倍となるなど、過去10年で最も多かった。負債総額も増加しており、集計には含まれないが負債総額1000万円未満の少額倒産の発生が複数あったことも意識する必要がある。

東京商工リサーチ四国地区本部長兼高松支社長 波田 博

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