「ものづくりが好き」が拓いたエキスパートへの道

造田拓也(ぞうた・たくや)さん/株式会社三祥 製造一課第2グループリーダー

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2024.08.01

実家は農家だが、ものづくりへの興味を温め続け、高校3年間の夏休みは三祥の製造現場でアルバイトに明け暮れた。「まだ第1工場しかなかった頃で、職人肌の大人たちに囲まれながら、製造工程をすべて間近に見ることができました。しんどかったけど楽しかった」と振り返る。社会人になって営業職に就いたものの「やっぱりものづくりを仕事にしたい」と、あらためて三祥の門を叩いた。

30歳そこそこの若さで同社で最も大きい五面加工機を任されるようになって十余年。同社の製品の多くは、建設用クレーン等の部品として使われている。「自分がつくったものが世界中で活躍していると思うと、やりがいもひとしお」。とはいえ、精密な仕上がりを求められる機械加工は対象が大型になるほど難易度も上がる。ねじれやひずみも計算に入れながら図面通りの仕上がりになるよう加工機を調整するには、人の目と手、そして経験が欠かせない。「機械が動いてくれるからオペレーターは楽だろうと思われがちだが、とんでもない。どうすればうまくできるかを考えていると、眠れないこともしばしば。ほぼ一期一会のものづくりで、毎回試行錯誤の連続。機械加工は製造工程でも終盤に近く、これまでにかかわった人たちの労力を思うと、失敗できません。責任が大きい分、きれいに仕上がった時の達成感も大きい」。難易度の高い加工をこなすうちに、応用力も磨かれたという。

コロナ禍を経て多能工化が進む社内の流れを受けて、「他の加工機も扱えるようになりたい。できることが増えれば自分の自信にもなるはず」とさらなるスキルアップに意欲を見せる一方、大型加工を扱える若手の育成も重視。「アルバイト程度の知識しかなかった僕に、ベテランの先輩方が根気よく優しく教えてくれたからこそ、今の僕がある。師匠たちの教え方を継承し、大型加工に対する不安を払拭して、後輩の背中を押したい」。

挑戦し続ける原動力は、ものづくりへの思い。「この世界に入って心からよかったと思う」と、屈託のない笑顔を見せた。

問い合わせ
株式会社三祥:087-888-5781

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