
同部は全国でも数少ない本格的な実業団チームとしてさまざまな大会に出場するかたわら、百十四銀行の地域貢献活動の一翼を担い、講習会などを通じて地域のスポーツ振興に取り組む。部員は銀行員としての業務とアスリート活動の両立を実現し、過去には国体成年女子2部優勝、全日本実業団準優勝、全日本選手権3位(団体・ダブルス)といった成績を残してきた。
現監督の中尾さんは坂出市出身、日本リーグ1部での豊富な試合経験を持つトッププレーヤー。帰郷後、2019年に同部コーチに就任した。日本リーグ2部の最下位に低迷する中でもストイックに研さんを積む部員たちの姿に心を動かされ、地道な努力を支えた結果、20年度の後期日本リーグでは約20年ぶりに2部優勝・1部昇格と目覚ましい躍進をみせる。「この頃から、行内でも注目度が高まってきたように思います」
21年度前期リーグ1部6位、後期に2部降格となったものの、23年からは銀行業務を午前中のみとして午後はフルに練習に充てるなど、体制を強化。中尾さん自身も入行して選手と同じ環境に身を置き、監督として本格的に采配を振るうようになって、同年度の後期リーグ2部で優勝、1部への復帰を果たした。
今大会は、完成間もないあなぶきアリーナ香川を舞台に、1部所属チームのみが行える地元での一戦「ホームマッチ」に加え、本前期リーグ戦の全試合が34年ぶりに香川県で開催される。意義の大きい試合に臨む同部の目標は、過去最高の6位を上回る3位入賞だ。
「前後期合わせて成績上位の4チームに入れば、プレーオフに進出できます。強力なゴールド選手の参加に加え、個人戦で結果を残せているし、昨年に比べてチーム全体がレベルアップしていると感じる。伸びしろはまだまだ大きいが、団体戦では強さを発揮できるのでは」と期待を込める中尾さん。「地味なイメージとは裏腹にアクティブで、選手の手の震えまで伝わるような空気の緊張感や、互いの作戦を読み合う心理戦は、卓球の醍醐味。ぜひ多くの人に、間近で味わってほしいと思っています」
卓球はポピュラーな学校部活動の一つだが、高校・大学への進学でプレー環境を失ってやめてしまう人も多い。学生向けの講習会や卓球台の寄付に伴うデモプレーなどのジュニア世代育成、卓球の知名度向上や地域のプレー環境整備も、同部にとって重要な活動だ。
日本リーグでの飛躍と比例して、地域の講習などに招かれる機会も増えた。行内にはもともと部員として活躍していたOGが数多く勤務しており、「みんなで一緒に啓発に取り組めないかと考えています」。競技に興味を持ってもらう意味でも、日本リーグ香川大会は絶好の機会といえる。
監督として「卓球が好き」という選手たちの思いを支える中尾さん。「私たちが活動できるのは、周囲の理解と応援のおかげ。銀行が地域を盛り上げていくのと同じように、私たちの活躍で地域を元気づけたい」と語った。
戸塚 愛野
株式会社百十四銀行
- 住所
- 香川県高松市亀井町5番地の1
- 代表電話番号
- 087-831-0114
- 設立
- 1878年11月1日
- 社員数
- 1963人(2024年3月31日現在)
- 事業内容
- 銀行業
- 総資産
- 5兆8,058億円
- 総預金
- 4兆7,652億円(譲渡性預金を含む)
- 貸出金
- 3兆4,331億円
- 資本金
- 373億円
- 店舗数
- 133店舗(本支店100、出張所22 他)
店舗外ATMコーナー140カ所 - 地図
- URL
- https://www.114bank.co.jp/
- 確認日
- 2024.08.15
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