日本のスポーツビジネスが世界に通用しない本当の理由

著:葦原一正/光文社

column

2021.03.04

著者がここで言うスポーツビジネスとは、プロスポーツチームのビジネスです。日本のプロスポーツはプロ野球をはじめ、1993年にサッカーがJリーグとしてスタートし、2016年にバスケットボールがBリーグに、翌年に卓球がTリーグに、バレーボールは2018年からVリーグとして試合が行われています。

著者に言わせると「日本におけるスポーツ文化は、一見すると豊かになっているように映る。しかし、私自身の肌感覚では、四歩進んで五歩戻ったという印象が否めない」と率直に述べます。

プロ野球の1994年、日本ではイチローが日本プロ野球界で初めてシーズン200本安打を達成、メジャーリーグ(MLB)では史上最長のストライキが起きた年です。当時の市場規模は日米ともに1,500億円だったといわれています。それが2018年になると、日本の2,000億円に対して、MLBは1.1兆円にまで伸ばしました。この差はどこにあるのでしょう。

現在日本のプロスポーツのNPB、Jリーグ、Bリーグの3つの競技団体を合わせた市場規模は4,000億円程です。これはこの程度の規模しかないと考えるべきで、著者は球団同士で顧客を奪い合うよりも、もっと大きな市場を競合他社と位置づけるほうが普通に考えるとビジネスチャンスは大きいと言います。

そして5つのキーワードで提案します。ガバナンス、プロフェッショナル、アリーナ、グローバル、エンゲージメントです。横文字ばかりで分かりにくいですが、日本で最も欠けているのはガバナンスで、それが最も大切なものであるとも言います。スペースがないので詳しくは本書をお読みください。

山下 郁夫

宮脇書店 総本店店長 山下 郁夫さん

坂出市出身。約40年書籍の販売に携わってきた、
宮脇書店グループの中で誰よりも本を知るカリスマ店長が
珠玉の一冊をご紹介します。
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宮脇書店 総本店店長 山下 郁夫さん

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