真のファンなら知っておきたい 野球の世界情勢

著:石原豊一/ベースボール・マガジン社

column

2020.02.06

昨年11月にあった野球の国際大会「WBSCプレミア12」は日本が苦労しながらも、何とか韓国を破って優勝しました。2020年になった本年には、野球がオリンピックにようやく復活します。

ボール1つで出来るサッカーと違って、野球は世界を見ると東アジア、北中米地域以外はまだ普及しているとは言えないマイナースポーツというのが現実です。野球の国際大会はオリンピックとWBCそれにプレミア12くらいのものです。私を含めてたいていの人の野球の現状の理解というものはそんなところでしょうか。

この本には最新の野球の世界情勢が、各国の野球の歴史とともに分かりやすく紹介されています。早々とアフリカ・ヨーロッパ予選を勝ち抜いて東京オリンピック出場を決めたイスラエル、ライバルの韓国や台湾、眠れる獅子中国、凋落気味のキューバ、人材の宝庫ドミニカ共和国とベネズエラ、かつてアメリカに野球戦争を仕掛けたメキシコ、ジャイアントキリングのオランダ、それ以外にも様々な国が取り上げられています。一世紀以上前にイギリスにプロリーグがあり、最初の野球の国際大会のチャンピオンだったことや、イスラエルにもプロリーグがあったことも初めて知りました。

国際大会で対戦すると、意外な国に苦戦することも珍しくなくなりました。もはやアメリカや日本だけが野球強国ではないという現実を知って欲しいと著者は言います。世界に普及するとはそういうことだと思います。日本の野球とアメリカのベースボールは別物だと言われますが、世界中にいろんなスタイルの野球があって欲しいし、それを楽しみたいと思います。

山下 郁夫

宮脇書店 総本店店長 山下 郁夫さん

坂出市出身。約40年書籍の販売に携わってきた、
宮脇書店グループの中で誰よりも本を知るカリスマ店長が
珠玉の一冊をご紹介します。
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宮脇書店 総本店店長 山下 郁夫さん

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