倒産件数は前年度比6件減の54件、過去10年間で4番目~2024年度 香川県企業倒産状況~

東京商工リサーチ

Research

2025.06.05

概要

件数54件
前年度比▲10.00%(2023年度60件)

負債総額4972百万円
前年度比▲41.69%(2023年度8527百万円)

負債総額は過去10年間で最少

2024年度香川県企業倒産状況(負債総額1000万円以上、内整理を含む)は、件数54件、負債総額49億7200万円。件数は前年度比6件減、負債総額は前年度比35億5500万円減となった。過去10年間では、件数は4番目、負債総額は最少だった。

『不況型』倒産は92.6%と高率

原因別では、販売不振が50件で最多、以下、放漫経営2件、過小資本、その他各1件となった。『不況型』倒産は50件で、構成比92.6%だった。『不況型』倒産は前年同期比2件減となった。

サービス業他の21件が最多

全10産業のうち、農・林・漁・林業、建設業、製造業、卸売業、小売業、金融・保険業、運輸業、情報通信業、サービス業他の9産業で倒産が発生した。最多はサービス業他の21件、建設業、製造業各11件、次いで小売業、運輸業各3件、情報通信業2件、農・林・漁・鉱業、卸売業、金融・保険業各1件となった。

前年度との比較では、製造業、サービス業他、農・林・漁・鉱業、金融・保険業、情報通信業で増加。一方、建設業、卸売業、小売業、運輸業で減少。不動産業は前年度に引き続き発生はなかった。形態別では法的倒産54件(破産52件、特別清算2件)で、私的倒産は発生がなかった。従業員数別では、5人未満が41件で最多、5人以上10人未満が8件、10人以上20人未満が4件、20人以上50人未満が1件だった。負債総額別では、1千万円以上5千万円未満が24件、5千万円以上1億円未満が18件、1億円以上5億円未満が11件、10億円以上が1件だった。市郡別では、高松市が35件、坂出市、善通寺市が各4件、丸亀市、さぬき市、仲多度郡各3件、東かがわ市、小豆郡が各1件だった。
2024年度の倒産件数54件の内、16件が新型コロナウイルス関連だった。

コロナ禍の各種支援策で過剰債務を抱えた企業は、次第に業績が二分化しつつある。特に、過剰債務を抱えて本業で利益を計上できない企業は、成長投資が難しく事業再構築の実現性は低くなりやすい。また、清算価値保障原則に基づく企業価値を高められない企業も、生き残りが難しくなるだろう。企業倒産は業績不振の息切れを中心に、新たな資金手当てが難しい黒字倒産を加え、増勢ピッチを速める可能性が高まっている。

東京商工リサーチ四国地区本部長兼高松支社長 波田 博

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