二人三脚で “キレイなあしを創る”

Welleg
会長 植村 暁美さん
社長 小島 好視さん

Interview

2026.04.16

Wellegを支える2トップ。会長の植村暁美さん(右)と社長の小島好視さん=高松市朝日新町

Wellegを支える2トップ。会長の植村暁美さん(右)と社長の小島好視さん=高松市朝日新町

2人とも“いけいけどんどん”

パンプスを中心に女性用の靴をつくり、ネット販売するWelleg(ウェレッグ)。インターネットショッピングモール(ECモール)や自社サイトで700~800アイテムをラインナップし、一日のアクセス数は全モール合わせて約7万。楽天、アマゾン、ヤフーなど大手ECモールの売上ランキングで、常に上位に座る大人気シューズメーカーだ。


「well(よく)」「wellness(健康)」「leg(脚)」を組み合わせて「Welleg」。とてもおしゃれな社名だが、実は履物商「ひしや商店」として1925(大正14)年に創業した、香川でも有数の100年企業。その老舗企業を率いるのは、会長の植村暁美さん、社長の小島好視さん、2人の女性経営者だ。

植村さんが小島さんについて「実行力があり、人にもモノにも何に対しても愛がある」と語れば、小島さんは植村さんについて「数字にとても強く、会社の手綱を引き締めてくれている」と話す。7つ年上の植村さんが経理や基盤面から会社を支え、小島さんが商品や顧客起点で事業の方向性を担う。協力しながらも役割は違うが、「“いけいけどんどん”な性格はよく似ていると思う」と、2人は互いを見つめながら笑う。

「これでいいんだ」の方が絶対楽しい

植村さんは、2002年に義父が経営する菱屋(現Welleg)に入社、08年に小島さんがほぼ新卒で入社した。当時は靴の卸、製造、ネット販売の3本柱だったが、「実は極めて危機的な経営状況だったんです」と植村さんは打ち明ける。「ネット販売が不振で、売上の3割を広告費につぎ込んでもなかなか売れない。利益が残らず、残業代を出すのも厳しい状態でした」
社長の小島好視さん

社長の小島好視さん

入社したての小島さんには不思議に思うことがあった。「会社のスタッフが誰も自社でつくった靴を履いていないんです……」。水色や黄色でキラキラした派手な商品が多く、「自分たちが“本当に履きたい”と思える靴をつくりたい」。声をあげると、会社の仲間も賛同してくれた。

「やっぱりみんな、そう思っていたんだ」

小島さんが中心になり、デザインやカラーバリエーション、販売サイトでの見せ方などを一新。S、M、Lなどではなく、0.5cm刻みのサイズ展開や、幅広や幅狭の商品をつくったり、「屈曲性が良く、歩きやすい」「かかとが脱げやすい」「つま先がややきつい」などスタッフによる“本音の”試着コメントをサイトに載せたりした。
「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2013」表彰式で

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2013」表彰式で

すると……

2010年に楽天市場の「ショップ・オブ・ジ・エリア 靴ジャンル賞」を受賞、翌11年にはショップ・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。

そして小島さんにとって、さらにうれしい出来事があった。

「楽天のショップ・オブ・ザ・イヤーを12年、13年と、3年連続で受賞したんです。決して一発屋ではないんだ、お客さんに受け入れてもらっているんだ、やってきたことは間違っていなかったんだと。表彰式でみんなと一緒に記念写真を撮ったのは忘れられません」
“キレイなあしを創る”。Wellegが掲げる経営理念だ。小島さんは「“靴を売る”だけではなく、“靴を通して幸せを届ける”のが私たちの役目。なんとなく靴を選んで『これでいいのかな?』という気持ちで外出するより、『これでいいんだ!』と自信をもって外出する方が絶対に楽しいと思うんですよね」と話し、2人は口をそろえる。

「『きょうも良い一日だったな』。そう思ってもらえるような靴を届けていきたいですね」

2019年、社名を菱屋からWellegに替え、社長の植村さんが会長に、小島さんが社長になった。現在は靴製造とネット販売の2つの事業を軸にし、スタッフらは自然と自社の靴を履くようになった。

真摯に真面目に丁寧に

毎年、「パンプスフェス」を行っている。キズが少し入っているなど“訳あり”なパンプスやバッグを格安で販売。今年は2月に開催し、3000人以上が詰めかけた。
「パンプスフェス」の様子

「パンプスフェス」の様子

「毎回、楽しみにしてくれている人も多い。地域との繋がりはこれからも大切にしていきたいと思っています」と植村さん。しかし、最近は女性の「パンプス離れ」が進んでいるそうだ。「パンプスならではの魅力はありますが、かかとが擦れるなど、やはり“痛い”イメージが根強いんです」

変わって人気が高まっているのがスニーカーだというが……

「スニーカーはおしゃれさに欠けるんですよね」と小島さんが加える。そこでWellegでは、人気インフルエンサーとコラボし、“おしゃれなスニーカー”を展開中。すでに2万足をつくり、売れ行きは好調だ。
会長の植村暁美さん

会長の植村暁美さん

「“おしゃれなスニーカー”や、玄関でもたつかない“履きやすい靴”など、『かゆいところに手が届く』商品をこれからもどんどん提供していきたいと思っています。“スタッフの得意”を生かせる会社を目指したい」と小島さん。

植村さんは「常に心がけているのは何事にも真摯に向き合うこと。それがあったからこそ100年続いてきたんだと思うんです。これからも“真摯に真面目に丁寧に”歩んでいきたい」と今後への決意を語る。

「この会社をどうしていくんだ」と、時には言い争うこともあるという植村さんと小島さん。香川が誇る老舗企業をこれからも二人三脚で引っ張り、“キレイなあし”を創り出していく。

篠原 正樹

植村 暁美 | うえむら あけみ

略歴
1976年 愛知県生まれ
1999年 名古屋大学法学部 卒業
2002年 上海復旦大学交換留学 修了
    株式会社菱屋(現Welleg)入社
2014年 専務取締役
2015年 代表取締役社長
2019年 代表取締役会長

小島 好視 | こじま よしみ

略歴
1984年 高松市生まれ
2002年 高松西高校 卒業
2008年 香川大学大学院工学研究科安全システム建設工学 修了
    株式会社菱屋(現Welleg)入社
2019年 取締役社長

株式会社Welleg

住所
香川県高松市朝日新町18-22
代表電話番号
087-851-6400
設立
1950年(創業:1925年(履物商「ひしや商店」))
事業内容
ECサイトの企画・運営・管理
靴、小物、アパレル商品の企画・製造・販売
資本金
2000万円
地図
URL
https://www.welleg.co.jp/
確認日
2026.04.16

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