足元に「選ぶ」楽しみを!
悩みに寄り添う靴を追求

株式会社Welleg 取締役 後藤 真治さん

Interview

2024.07.04

企業理念は「キレイなあしを創る」。1925年、高松市丸亀町で創業し、2019年に「菱屋」から「Welleg」に社名を変更。2000年代早々に出店したオンラインショップの成功を受けてネット通販に軸足を移し、ユーザーの悩みに寄り添う「履きやすく」「コーディネートが楽しく」「リーズナブル」な靴づくりを追求している。

きっかけは、90年代に靴の製造卸を始めたことだった。中国の製造拠点と連携した企画・製造品と既製品の仕入れの両輪で対応していたが、卸売の基準に満たない商品は在庫として抱えることになる。それを利活用しようと、2002年にアウトレット品のオンラインショップを大手通販サイト上に開設したところ、売り上げの向上に大きく貢献。07年には同サイトのレディースファッション・靴部門で「ショップ・オブ・ザ・イヤー」に輝くまでに成長した。

ちょうどその頃、WEBを活用したファッションビジネスに興味を持って中途入社した後藤さん。「当社は靴のネット販売の草分け的な存在でしたが、そろそろ価格競争が激しくなってきていたし、よく考えたら私たち自身が自社の靴を履いていなかったんです。これではいけない、もっとこだわりを持って商品をつくり込んでいこうという問題意識が生まれたのが転機になりました」。

目指したのは、悩みを解決し、選ぶ楽しみを提案する靴づくりだ。従来はS・M・L・LLの1センチ刻みだったサイズ展開を0.5センチ刻みの10段階に拡大、足幅の広い人向けの「幅広」タイプを充実させるとともに、デザインも使いやすく落ち着きのあるものにブラッシュアップ。一つ一つ履き心地を見直し、さまざまな足サイズの自社スタッフが実際に着用したレビューも掲載して、試着のできないネット通販でもユーザーが自分に合った商品を選びやすい工夫を凝らした。ユーザーからは「人生が変わる履き心地」「コーディネートを楽しめるようになった」といった声が寄せられ、当時リニューアルした商品は現在も変わらず人気だ。

こだわりの光る商品づくりを支えるのは、製造卸業の頃から育んだ中国の製造拠点との深い連携。一方、コロナ禍でパンプスに代わってスニーカーのニーズが増えたことを受けて、スニーカー製造に強い東南アジアに生産拠点を構えるなど、新しい動きも生まれている。

商品リニューアルと同時期に社内の環境や福利厚生も大きく見直し、会社全体の転換期となった2010年代を経て、次の挑戦を見すえる同社。「すぐ痛くなる・疲れるといった靴のトラブルの多くは、サイズの合っていない靴を履いているから。自分のサイズを正しく把握できる環境を提供したい」という後藤さんはシューフィッターの資格を取得しており、足の構造・足の健康に関する専門的な観点を商品企画に生かしつつ、パンプスフェスなどでは実際に採寸してアドバイスも行う。現在構想しているのは、AIを活用したフィッティングサービス。「お客さま一人一人の足のデータを木型と照合して、より自分の足に合う靴が選べるようにしてみたい。そういう技術の開発も、行政や教育機関と連携して実現させていけたら」と展望を語る。

戸塚 愛野

株式会社Welleg

住所
香川県高松市朝日新町18-22
代表電話番号
087-851-6400
設立
1949年(創業:1925年)
事業内容
ECサイトの企画・運営・管理
靴、小物、アパレル商品の企画・製造・販売
地図
URL
https://www.welleg.co.jp/
確認日
2024.07.04

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