地域の新たな魅力を発掘する
多角的な課題解決に意欲

日本航空 高松支店 中嶋 梨帆さん・金川 浩子さん

Interview

2024.11.07

中嶋さん(左)と金川さん

中嶋さん(左)と金川さん

従来の「航空機の利用者数を増やす」営業戦略から地域密着型ソリューションビジネスへと軸足が移る中で、これまで地道に育んだ地域のネットワークを生かして、2023年から本格的に地域創生・地域解決課題を目指す提案型事業を展開しているJAL高松支店。地元民も気づいていないような地域の魅力を地域の人々とともに発掘・活用し、新たな交流を生み出そうとしている。

「人口が減少する中でも、地域への移住・定住をはじめとする新たな交流とにぎわいを生み出し、関係人口を増やすのが私たちの目標。従前から取り組んできた活動を、事業として確立しようとしています」と中嶋さん。2023年4月に着任して以来、商品開発から地域の事業者同士のマッチング、イベントに際して外部から招く演者の移動手配まで、さまざまな企画のコアとなって地域の活性化を支える調整に奔走している。

海外トップアーティストが大迫力のパフォーマンスを繰り広げる「真夏の夜の夢」など地域イベントへの協賛(輸送協力)、自治体の依頼を受けて海外語学研修に参加する中学生向けに客室乗務員が行う事前講座の実施など、少しずつ実績を築いているが、「前年の2023年は取り組みの看板となる『JALふるさとアンバサダー』が不在で、思うように提案を形にできなかった反省もありました」と中嶋さん。「地域の悩みや課題を当社のサービスと結び付け、PRや活動を行う上で、JALふるさとアンバサダーは重要な鍵です。今年は金川さんが着任したことで、とても活動的に動けるようになりました」。

JALふるさとアンバサダーは客室乗務員がゆかりのあるエリアに移住し、知見を活かして地域資源の発掘・活用を目指す取り組みで、全国各地で約20人が活躍中。今年から香川でアンバサダーを務める金川さんは千葉出身。前任者だった友人に会いに訪れた香川のまちに魅力を感じ、社内公募に手を挙げたという。

今年の大きな成果の一つが、8月に琴平町と連携協定を結んだ、旅アプリ「ittemi」を使う情報発信事業だ。JALが提供するスマートフォン向けの新感覚旅アプリで、地図上のあちこちに示されたスポットの情報は、ある程度実際に近づくまで詳細が表示されない。現地に足を運び、自分で発見する楽しみを刺激する仕組みだ。

これまでの連携は島しょ部の観光地が中心で、自治体としての参画は琴平町が初めて。開発段階から地元の全面的な協力が得られたことで、観光資源の発掘がスムーズに進んだ。「細かいところまで町を調査した開発チームと地元の皆さんの労力の賜物です。私はJALふるさとアンバサダーの発信力を生かし、アプリを通じて琴平への誘客に貢献したい。琴平町の事例をモデルに、全国の自治体にも活用が広がっていけば…」と金川さん。自身がittemiを使って琴平を歩いて得たリアルな観光案内をJALの旅関連サイトで公開しているほか、今月下旬には琴平(KOTOHIRA TRIP BASE ~Kotori~)にて観光客向けのPRイベントも開催予定だ。「客室乗務員として培ってきた知見と外から移り住んだ者としての視点を活かして、多くの人へ香川のまちの魅力を伝えていきたい」と思いを語った。

<アプリ「ittemi」詳細>

戸塚 愛野

日本航空株式会社 高松支店

住所
香川県高松市磨屋町3-1
地図
確認日
2024.11.07

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