機能性衣料ブランドを核に
新たなビジネスモデルを模索

株式会社中虎 代表取締役社長 中川 武雄さん

Interview

2024.12.19

手袋のまち・東かがわで手袋製造70年以上の歴史を持つ中虎。大手アウトドアブランドをはじめとするOEM生産のかたわら、職人技の価値を発信するメイドインジャパンの自社ブランド・バイクグローブ『JRP』を展開し、コロナ渦中も安定したニーズを守り続けた。

2017年に「人々の健康と幸せに寄与する」理念のもと、H&H(Health&Happy)事業部を新たに立ち上げ、機能性素材「プラウシオン®」を使った体質改善型ウェアブランド『アジャストプラス®』を展開している。

プラウシオン®は、体に触れることで血行促進やリラクゼーション効果をもたらすミネラル混合体。『アジャストプラス®』はそれをコーティングした天然の上質綿糸を使い、血行促進と睡眠状況の改善をサポートするニット製品だ。

「展示会で偶然プラウシオン®に出合って体質改善に繋がるさまざまな効果を知り、試作品を作って実際に自分で試してみたところ、良好な睡眠効果が実感でき、『人々の健康と幸せに寄与できる』と強く確信しました」と振り返る中川さん。日本睡眠教育機構が認定する「上級睡眠健康指導士」の資格を社員とともに取得し、専門的な見地から開発にも関わっている。

現在のラインアップはレディース・メンズのインナー上下のほか、ウエストウォーマーやレッグウォーマー、アイマスク、手袋などの小物類も充実。肌触りのよさと高い吸汗吸湿性を備え、オールシーズン使える。一部の商品は縦横どちらにも柔軟に伸びる特殊な編み方で、体型・性別・年齢を問わずフィットし、型崩れもしにくい。

着用によって睡眠の質を向上させる効果については、今年2月の日本ヘルスケアプロダクツ学会で、査読付きの学会発表を行った。現在も更なる臨床試験などで検証を深めているところだが、ユーザーからは既に「こんなに温かいのは初めて!」「夜中に目が覚めることなく朝まで眠れた」といった喜びの声が数多く寄せられている。

『アジャストプラス®』は展示会での手応えも上々で、自社オンラインショップや大手通販会社を通じて販売しているが、中川さんは「もっと売り方に工夫が必要」と課題を感じており、今後は医療・介護・整体などの分野で治療・施術する側に立つ専門家向けの発信に力を入れたい方針だ。医師や整体師といった各分野のエキスパートが、患者一人一人の健康状態を知る専門家の立場から丁寧に効果を説明し、治療やケアの一環として商品を取り入れる販売方法を提案できないかと模索している。中川さんは「商品力には確信がありますから、じっくり腰を据えて私たち独自の販売方法を確立していきたい」と意気込みを語った。

戸塚 愛野

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