思いや価値観を尊重することで 人と組織がともに成長する

Cha✕Cha

2022.09.15

人があって組織がある

人と組織の関係性については、様々な捉え方がある。例えば、組織の進むべき方向性を仲間と共有した上で、自分はどんな貢献ができるかを考える。まず組織があり、その中で人の役割を考えるのも一つの考え方である。

一方で“人”の視点から組織との関係性を考えた時、自分が大切にしている価値観や夢、創造したいことがあり、それが実現できるからこの会社を選んでいる、という捉え方もできる。

在宅サービスを中心に福祉事業を展開する「松」では、主役はあくまでも人。新たな福祉サービスを創出したい、時間内で決まったサービスをこなすのではなく利用者一人ひとりにじっくり向き合いたい……といった“思い”がまずあり、それを実現できるよう会社がサポートする。主体性や専門性を活かすことで、新たなサービスや働き方を生み出している。

その人の資質を活かす「職員第一主義」

創業のきっかけも、香川で在宅福祉サービスを充実させて地域に貢献したいという思いだった。介護度や医療依存度が高くなると、福祉施設以外の選択肢が少ない。そこで、訪問看護・介護サービスを立ち上げた。定期的な巡回型介護と、24時間365日緊急相談に応える随時対応・訪問を組み合わせた「定期巡回・随時対応サービス」も始めた。対応するスタッフは、看護・介護を極めたいという思いをもつが、一生懸命になりすぎて家族との時間、趣味の時間などに支障が出ないよう、その人に合った働き方を会社から提案することもある。

シンガーソングライターや映画監督の夢を持つ人など、多彩な人材が在籍しているのも特徴だ。動画制作のスキルを持つスタッフは、担当していた利用者が亡くなった際、撮影していた映像を編集して家族にプレゼントしたいと自ら提案した。新たな福祉サービスの起業を目指す人には、1年だけ時短で集中的に勤務できるようにしながら報酬を保障した。

会社が一人ひとりの生き方や、学びたい、挑戦したいという思いを尊重することで、組織への共感や自分の成長への意欲が高まり、結果的にスタッフがレベルアップ、利用者の満足度も高まった。制度の範囲内、組織内だけにとどまらない発想から柔軟なサービスや事業も生まれた。高い専門性プラス個性をもつスタッフの力を活かしながら、福祉の世界で新たな価値創造を目指している。

◆キーワード


ダイバーシティ経営

多様な人材を活かし、能力を最大限発揮できる環境をつくることで、新たな価値を創造していく経営のあり方。自分の特性を活かして生き生きと働くことによって、自由な発想が生まれ、生産性が向上し、結果的に企業の競争力強化につながるという経営の形である。

「ダイバーシティ」は多様性と訳され、女性、シニア、外国人、障がい者、LGBTといった言葉で語られることが多いが、それだけではなく一人ひとりの働き方、生き方まで含めての多様性を表す。そのため、例えば「週5日勤務は望まない」といった働き方のように、多様性は長いキャリアの中で誰でも当事者となる可能性がある。


サービスプロフィットチェーン(SPC)

従業員満足と顧客満足、企業の利益の関係を示す言葉。企業が従業員を大切にすることでモチベーションが高まり、サービスの品質が向上する。その結果、顧客の満足度が高まり、収益向上につながる。

快適な職場環境、やりがいなどが組織への貢献意欲を高め、顧客サービス向上、顧客心理の変化、顧客ロイヤルティが高まる、収益向上がさらなる職場環境向上へとつながるという循環が完成する。

◆スタッフ・メッセージ

病院勤務時代、作業療法士としてリハビリを担当していましたが、退院後もその人が住み慣れた環境で生活できるようフォローできる仕事がしたいと思い、入社しました。実際に利用者のお宅でリハビリすることで、ちょっとした段差などをチェックしながら、その人に合わせたリハビリができるのでやりがいがあります。

利用者と話をしながら目標を考え、一緒に頑張ろうと思ってもらえるよう、信頼関係を築きたい。利用者のために何ができるか常に考え、専門家としての技術や知識を増やしていきたいと思います。

作業療法士
細川啓太さん 
高松工芸高校出身

株式会社松

住所
香川県高松市福岡町4丁目20番8号
代表電話番号
087-802-5335
設立
平成24年1月5日
社員数
110名
事業内容
訪問看護/訪問介護/相談支援/定期巡回・随時対応サービス
地図
URL
http://matsu-h.jp/
確認日
2022.09.15

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