伊吹島のおいしさをそのままに

釜揚げいりこ キョーワ

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2019.01.17

釜揚げいりこ。そのまま焼いて食べてもおいしい

釜揚げいりこ。そのまま焼いて食べてもおいしい

三豊市の冷凍食品メーカー・キョーワは、今年4月から「釜揚げいりこ」の販売を本格的に始める。釜揚げいりこは、観音寺市の伊吹島沖でとれたカタクチイワシを塩ゆでした後、急速冷凍したもの。

キョーワの代表取締役・加地正人さんは、3年前に伊吹島を訪れた時に食べた、ゆでたてのカタクチイワシのおいしさに衝撃を受けた。島外に流通しているのは、塩ゆでした後に乾燥させた煮干しの「伊吹いりこ」だけ。ゆでたての「釜揚げ」は、島でだけ味わえる知る人ぞ知るグルメだった。

伊吹島では漁場と加工場が近いため、カタクチイワシを漁獲から30分以内に塩ゆでできる。鮮度がいいままゆでるため、味もいいという。「おいしいのになぜ冷凍しないんだろうと思いました」と加地さん。カタクチイワシの漁は6~8月限定だが、冷凍食品にすれば年中、とれたてのおいしさを味わえる。

2016年、加地さんは伊吹漁業協同組合と協力して、試作を始めた。1年目は冷凍庫の温度が思うように下がらず、うまくいかなかった。翌年、マイナス30度を保てる冷凍庫で再挑戦すると、急速冷凍でゆでたての味を保つことができた。

17年は11トン、18年は16トン生産。香川県内の小・中学校で給食に使ってもらうなど、テスト販売をした。小中学生3700人を対象としたアンケートでは、6割が「釜揚げいりこをまた食べたい」と答えた。「伊吹島を知らなかったり、いりこを食べたことがなかったりする子どもにも食べてもらえるのはうれしいですね」。19年は50トンの生産を目指す。

三豊・観音寺地域の冷凍食品メーカーが数社集まって、4月に「株式会社伊吹島プロジェクト」を設立する予定だ。当面の代表は加地さんが務める。今後は、伊吹漁協が漁獲・加工した釜揚げいりこを伊吹島プロジェクトが買い取り、そこから各冷凍食品メーカーに販売。各メーカーの流通網に乗って、全国のスーパーや飲食店で提供するという。

本格的な販売開始となるが、「うちだけで儲けようとは思っていません。釜揚げいりこが『今治タオル』のように、地域のブランドになれば。そのまま焼いて食べてもおいしいけれど、各社が釜揚げいりこを使ったオリジナル商品を販売することを期待しています。ゆくゆくは海外市場も狙いたい」

【問い合わせ】株式会社キョーワ
三豊市豊中町岡本1207
TEL:0875-56-6700

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