環境配慮製品、人材育成などで 積極的に「SDGs」に取り組む

サンテック

Cha✕Cha

2022.09.15

SDGs推進室室長も務める馬越俊介さん(右)

SDGs推進室室長も務める馬越俊介さん(右)

技術で環境問題に取り組む

自分の所属する企業、関わっている製品が社会にどう役立っているのかを意識することが、組織づくりや製品の質に大きな影響を与える。

鉄やステンレスの製缶を手掛け、プラント機器を設計・製造してきたサンテックでは、「日本のモノづくりを通して国際社会を豊かにするために存在するShokunin集団である」という企業理念が組織や製品の根底にある。手掛けている製品の一つ「熱交換器」は、高温の流体から低温の流体へ熱を効率よく移動(熱移動)させる機器。上下水道施設や工場などからの排熱を冷却し、再利用するために使われる。

筒状の形で、中には直径3メートル×長さ14メートルと巨大な製品もあり、大型熱交換器1台で1時間あたり約200リットルの熱エネルギーを回収。これを再利用すれば年間約60万リットルの燃料節約、1400トンものCO2排出が削減される。

ほかにも、オリーブの搾りかすを乾燥加工し資源化するプラントなども製造。製品を通して、温暖化や水質汚濁、廃棄物といった環境課題に取り組んでいる。

途上国の産業発展に

TICAD8(第8回アフリカ開発会議)で紹介された写真

TICAD8(第8回アフリカ開発会議)で紹介された写真

また、人材育成でも社会への貢献を意識している。10メートル以上の巨大な製品をミリ単位で仕上げる溶接をはじめとした職人の高い加工技術と、ものづくりに込めた精神を途上国などの若者に伝えるため、2015年から外国人技能実習生の受け入れを始めた。18年からはアフリカの若者のための産業人材育成事業「JICA留学生のインターンシップ」受け入れも開始した。

学んだ技術は、母国の産業発展に生かしてもらう。そのため、熟練の職人と組んで技術を習得できる体制を整え、日本語教師の資格をもつ社員が実習生に授業を開いている。実習生のスキルアップは、現場の生産性向上につながる。また、実習生が母国で活躍できるよう19年、ミャンマーの新工場に出資した。

人材育成で地域や途上国の課題解決や産業発展を目指しながら、自社の事業発展も進める。「循環型人材戦略」と名付けたこの取り組みは、「働きがいも経済成長も」「産業と技術革新の基盤をつくろう」といったSDGsの目標にもつながる。

◆キーワード


カーボンニュートラル

CO2をはじめとする温室効果ガスの排出量から、植林、森林管理などによる吸収量を差し引いた合計を社会全体でゼロにすること。国は2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言した。達成のためには、CO2排出量の削減、吸収作用の強化を行政、企業、市民で取り組む必要がある。企業活動においても、省エネ推進、再生可能エネルギーの導入などに取り組む事例が増えている。


海外直接投資

国外で現地法人の設立や外国法人への資本参加などの投資を行うこと。法人や工場設立などを通して現地の雇用が生まれ、技術移転も進むことでその国の産業発展につながるため、途上国などでの受け入れが多い。企業にとっては海外進出の拠点となる。また、自社事業だけではなく社会の発展のために、という目的をもった海外直接投資は、持続可能な開発目標SDGsの「働きがいも経済成長も」「産業と技術革新の基盤をつくろう」「人や国の不平等をなくそう」という目標にも通じる。

◆スタッフ・メッセージ

検査は製品の質を左右する最後の工程です。設計図通りに仕上がっているかだけではなく、お客様がどういう製品を求めているかまで理解した上で検査しています。現場に積極的に出かけて職人さんとコミュニケーションし、信頼関係を築くことで、製造途中でも品質確認について声を掛けてもらうことがあります。

技術を覚えるのも面白いですし、その技術をお客様にアピールしたことがきっかけで次の受注につながったことも。毎日やりがいがあります。

品質管理部 主任
篠田直輝さん
多度津高校出身

株式会社サンテック

住所
香川県綾歌郡綾川町羽床下2137-1
代表電話番号
087-876-1600
設立
1991年
社員数
70人
事業内容
プラント設備機器(熱交換器、真空機器装置、ステンレス製タンクなど)設計・製造
油温減圧式乾燥機「D-Cocotte」製造・販売 他
地図
URL
https://suntech.link/
確認日
2022.10.20

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