職人一徹70年、熱交換器誕生の立役者

沖野義則(おきの・よしのり)さん/株式会社サンテック 製造部

Topic

2023.10.05

高精度の溶接・加工技術を生かし、さまざまな産業用設備機器を手掛けるサンテック。大規模なプラントなどで冷却・加熱用に使われる「熱交換器」は同社のコア技術の一つで、精確な製缶・溶接技術が求められる巨大な筒状の金属装置だ。熱のリサイクルや水の浄化などに役立つ環境機器でもあり、グローバルな視野で環境問題や社会課題の解決に取り組む同社にとって重要な製品といえる。

この熱交換器を同社で初めて完成させたのが、製造部の沖野さん。1937年生まれ、中学を卒業して2年ほど大阪の乾物屋に務めたが、18歳で香川の鉄工所に入ってからは鉄工一筋の人生だという。サンテックに入社したのは88年、先代社長の時代だった。「当時は社長を含めてほとんどが溶接技術者で、工場も溶接工場しかなかった。そこに鉄工のプロとして入社して、熱交換器をどうやって仕上げるかを一人で考えました」。

熱交換器は中にパイプを通すため、ズレやひずみのない、かぎりなく真円に近い円筒が理想的。曲げ加工で美しい円形に仕上げる製缶技術と、つなぎ目を正確に封じる溶接技術、どちらも欠かせない上に、製缶の段階で溶接した時の「縮み」も計算に入れておく必要がある。「初めての時は曲げ方もいろいろ試して四苦八苦した。もちろんデジタル化しておらず、人の手で展開図を描いて板状の原料を切り出していた時代ですから、ひずみも大きい。それを思うと、機械化で正確に寸法が出せる今はずいぶん楽になりました」。

熱交換器の完成以降、同社の製作物は大きく幅が広がった。沖野さんはあらゆる製缶工程に精通した技術者としてずっと現場に立ち、定年後の再雇用に積極的な同社の社風のもと、現在もフルタイムで腕を振るっている。「家に引きこもっていないで、動くのが大事。体が動く限り、目の前の仕事を丁寧に一つ一つこなしていきたい」。現在86歳、職人一徹の挑戦は続く。
熱交換器

熱交換器

株式会社サンテック

住所
香川県綾歌郡綾川町羽床下2137-1
代表電話番号
087-876-1600
設立
1991年
社員数
70人
事業内容
プラント設備機器(熱交換器、真空機器装置、ステンレス製タンクなど)設計・製造
油温減圧式乾燥機「D-Cocotte」製造・販売 他
地図
URL
https://suntech.link/
確認日
2022.10.20

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