2025年度計画は、製造業、非製造業ともに増加し、全産業は4年連続で増加~四国地域 設備投資計画調査~

株式会社日本政策投資銀行

Research

2025.10.16

調査概要

株式会社日本政策投資銀行(以下、DBJ)は毎年、国内の設備投資動向の調査を行い、DBJ四国支店は四国地域における動向を公表している。原則、資本金1億円以上の民間企業を対象とし、全国の回答企業(5,238社)を対象に四国地域で実施される設備投資額を集計したものである。2025年8月に公表した調査では、四国地域に設備投資を実施すると回答した企業は358社であった。

香川県は4年連続の二桁増の計画

四国地域の2025年度計画は、製造業が4年連続の増加(8.1%増)、非製造業が2年連続の二桁増(12.5%増)となり、全産業は4年連続で増加(9.1%増)する。

香川県の2025年度計画は、製造業、非製造業ともに増加し、全産業では27.6%増と4年連続の二桁増となる。

製造業は、製品高度化に向けた投資のある化学や、工場新設のある食品、輸送用機械などが増加するため、大幅増(30.1%増)となる。非製造業は、低・脱炭素化に向けた対応投資のあるガスや、事業多角化に向けた投資のある運輸などが増加するため、5年連続で増加(23.3%増)する。

物価や人件費の上昇がリスクである一方、生成AIなどの新技術が成長機会

足下の重要テーマに関する企業の意識等を把握する目的で、当調査と同時に実施した「企業行動に関する意識調査」によると、事業への影響が大きいリスク要因として、最も多いのが「物価上昇」であり、次いで「人件費上昇」や「人手・後継者不足」となっている。原材料・エネルギー価格の高騰や、人手不足及びそれを背景とした人材確保のための賃金引き上げなど、外部環境の変化や構造的な要因をリスクと捉えている企業が多いことが分かる。

反対に、事業への影響が大きい成長要因としては、「新技術(生成AIなど)」を挙げる割合が高い。四国においてもChatGPTなどの生成AIを活用し、業務効率化や省力化などを図る企業が増えると考えられる。その他では「内外の政策見直し」や「規制緩和」も多く、それらによる新たなビジネス機会の創出や、既存の障壁が取り除かれる等への期待が感じられる。

先行き不透明感はあるも、設備投資動向は堅調

足下では、米国による関税措置や、それを起点とする国内及び海外景気の減速懸念、また地政学リスクに加え、原材料や建築価格の高騰など、設備投資を左右する先行きの不透明感が高い状況にある。しかしながら、四国地域も含め全国的に設備投資計画は増加基調を維持しており、企業の設備投資への意欲は底堅い状況にある。

加えて、香川県をはじめとする四国地域においては脱炭素関連投資のみならず、全国平均を上回るスピードで加速する人口減少を背景に、ロボットやデジタル技術も活用した省力化や、既存の人材を最大限活用するための人的投資が活発化することが期待される。当行では、今後ともこうした動向に注目しつつ企業の競争力強化を通じた四国経済の持続的な発展に向け、様々な形でサポートして参りたい。

株式会社日本政策投資銀行四国支店 企画調査課 副調査役 藤岡 亜希子

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ