安全な空の旅を、地上で支える運航支援

高松商運空港営業所 安藝亮介さん

column

2025.10.16

高松空港の運航を、地上から支える若手がいる。高松商運空港営業所で「運航支援」を担う安藝亮介さん(25)だ。徳島県出身。国際文化を学んだ大学時代に「英語を生かせる仕事」を志し、2023年4月に入社した。

入社後は手荷物返却や搭降載、車両操作などのグランドハンドリングを習得。フォークリフトやトーイングトラクター、ベルトローダー、ハイリフトローダーの資格を取り、半年後に運航支援の訓練へ。約1カ月間の講義と空港での実地訓練を経て、24年7月に「運航支援者」資格を取得した。

運航支援の主な役割は、出発前の機長に無線で運航情報を伝えること。出発時刻や使用滑走路、揺れの見込み、特別な配慮が必要な乗客の情報などを整理し、必要に応じて飛行高度(フライトレベル)の提案も行う。あわせて、到着遅延時の時間調整を司る「ハンドリングコントロール」、機体の重量・重心を管理する「ロードコントロール」、雷や強風時に現場へ作業中止を指示する「ステーションコントロール」も担い、地上とコックピット、旅客係員を結ぶハブとなる。

「どの情報を、どのタイミングで、どこまで伝えるか」の判断は常に難しい。特に霧の発生が多い高松空港では、レーダーや過去1時間の推移、気象台への照会を突き合わせ、天候の回復傾向を見極める。雷の兆しがあれば現場に早めの退避を指示し、安全と定時性のバランスを取る。「私の提案で高度を調整し、揺れが軽減されたと言われた時や、悪天でも無事に降りられた時はほっとします。現場から『早い判断で助かった』と声をかけられるのも励みです」。

一方で、濃霧で最終便が引き返した夜もあった。「情報の出し方をもっと工夫できたのでは」と悔しさを糧に、気象と運航の知識を磨き続ける。「パイロットに頼られる運航支援者に」。安藝さんは、今日も空を見守っている。

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