
景観美と走りやすさを 兼ね備えた4車線化
大規模なインフラ建設は環境への影響を指摘されがちだが、「高松道は県全体で盛り上げようとする機運があり、地域のご理解を得られたのは本当に幸運でした。事務所開設の地鎮祭では、神主さんが『4車線化工事の無事も祈っておきました』と。香川県民らしい、さりげない心遣いが印象的」と振り返る。
走りやすさとメンテナンスの効率化の両立を目指し、社員一丸で取り組んだ4車線化によって、交通の流れがスムーズになるとともに、徳島道・高松道が互いにダブルルートとして補完し合う路線が確立した。ドライバーに圧迫感を与えにくいオーバーブリッジや、開放感のある上路橋を積極的に採用するなど景観美を重視した先人たちの精神にならい、高松の市街地に建つ高速道の橋脚は彫刻家・流政之の作品にヒントを得た曲線美も特長。「大都市圏の市街地にある橋脚に比べて、すっきりと威圧感のないデザインになっているはずです」
時代に応じた変化が必要
今年4月、全国拡大に先立って6カ所で行う社会実験の一つとして「香川県通勤パス」がスタートした。通勤などで日常的に高速道路を使う層を対象とし、25年3月までの期間中、指定区間内を1日3回まで割引料金で利用できるサービスだ。県土木部や高松・坂出の商工会議所の協力を得て幅広い広報の展開を実現。さらに業界の働き方改革や人口減少が進む中で高速道路の安心安全を守るには、メンテナンス効率の向上が課題だと指摘し、DX導入など時代に即した省力化に取り組みたい意向だ。
「日本道路公団初代総裁の岸道三は『昭和の文化を高速道路に』を唱えて名神高速をつくりました。私たちも地域の社会課題にしっかり向き合って、未来の人たちに『令和の四国から新しい時代が始まった』と言われるような、良質な構造物を残したいと思っています」と、思いは熱い。

地域の人々との交流も広がる(写真右:金山けいの里・前田宗一さん)
戸塚愛野
後藤 由成 | ごとう よしなり
- 略歴
- 1967年兵庫県生まれ
1989年 関西大学工学部卒
日本道路公団入社
2012年 高松工事事務所長
2015年 阪奈高速事務所長
2017年 本社 経営企画本部 グループ経営戦略課長
2019年 同 保全サービス事業部 危機管理防災担当部長
2020年 四国支社 保全サービス事業部長
2021年 NEXCO東日本 料金システム開発室次長
2022年 四国支社 副支社長
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