新しいことに賭ける「熱狂」こそが常識破りの挑戦の源

瀬戸内サニー 代表取締役社長 大崎 龍史さん/中国銀行 高松支店長・四国地区本部副本部長 平松 昭紀さん

Interview

2024.10.17

(写真左)瀬戸内サニー 代表取締役社長 大崎 龍史さん (写真右)中国銀行 高松支店長・四国地区本部副本部長 平松 昭紀さん

(写真左)瀬戸内サニー 代表取締役社長 大崎 龍史さん
(写真右)中国銀行 高松支店長・四国地区本部副本部長 平松 昭紀さん

学校の授業だけじゃない“新しい時代の学び”のために、中高生をはじめ若い世代に向けてまわりの大人たちは何ができるのか――。その答えを探しながら様々な取り組みを行う教育現場、地元企業などのキーパーソンに、瀬戸内サニー代表・大崎龍史さん(YouTuber)がお話を伺うシリーズ。今回は「起業マインド」についての対談です。

経営者に必要なのは「熱い思い」。既存のやり方にとらわれないスタートアップの気運をつくるためには──

平松(以下、平) 私は香川大学を卒業して「地域の役に立ちたい」と銀行に就職しました。当時の銀行は融資提案がメインでしたが経営者の課題に一生懸命向き合う中で「経営コンサルがやりたい」という気持ちが芽生え、中小企業診断士の資格を取得しました。銀行の外で経営を体感したいと考え、希望して取引先へ出向させていただいたこともあります。

大崎(以下、大) 経営者とかかわる中で気づいたことは?

【平】銀行から見れば順風満帆な企業でも経営者の悩みは尽きないということですね。無借金企業も増えてきましたが、今度は「利益を再投資する新規事業が見つからない」ことが大きな経営課題になっています。

銀行内でも創業支援の機運が高まり、2017年からビジネスコンテストを中核とした創業のエコシステムづくりが始まりました。私自身は当時ピンときていませんでしたが、今思うと時代を先取りした考え方だったと思います。

新規事業には経営者のアツい思い、成功するまで何があってもやり遂げようという「熱狂」が不可欠だと思いますが、その点についてはスタートアップから学べる点が多いと感じています。

利益よりまず会社の意義を大切に、シーズの段階から柔軟に支援したい

【大】銀行はどんな思いで創業支援に取り組んでいるんですか。

【平】個人的な意見ですが、地域金融はプラットフォームビジネスだと考えています。銀行と企業が1対1の関係ではなく、銀行が仲介役となり「民間同士」「行政と民間」を結びつけ、地域が活性化することで銀行の利益も後から付いてくるという「先義後利」の考え方が重要です。

【大】自分たちの成功だけを追うより、地域全体で盛り上がることですね。

【平】地域の創業意欲向上に大切な「仲間づくり」で民間と行政の間で公共に近い立場から関われ、全方位の業界と組織としてつながれるのは銀行の強みであり、結びつけることに価値があります。一番わかりやすいのがスタートアップ支援で、みんなの取り組みが少しずつつながれば、地域に大きなうねりができるかもしれません。

次世代イノベーターのために、地域一丸で走ろう

【平】スタートアップの多様なニーズに応えるためのコミュニティが非常に重要だと思います。先日、「かがわスタートアップフェスタ2024」、「イノベーションスキルパスポート2024」にも参加しましたが、自治体を中心に県内のスタートアップコミュニティづくりはかなり進んでいると感じます。そこでは、幅広い年代の起業家たちが新たな価値の創造に取り組んでおり、銀行としても、様々なソリューションで長期的に支援することができる。

スタートアップにとって銀行は敷居が高いので、銀行がコミュニティづくりに主体的にかかわり、資金調達だけではないことを知ってもらうことも意義の一つだと思います。「大きくなってから」ではなく「ビジネスをつくる」ところから伴走しないと銀行の存在意義もないですしね。

【大】私たちのようなスタートアップ企業は、急成長とはいえ10年、20年スパンの応援が地元にあるのはありがたいし、だからこそ地方でやる意味があります。また、アントレプレナー教育にも金融は欠かせません。高専などを基盤とする挑戦的な金融教育も必要では?

【平】毎年のように起業を目指す学生を輩出する仕組みができればすごく価値がありますね。まず、若い世代に起業という選択肢があることを認知してもらうために、地域が一丸となって、高校生くらいからのアントレ教育や、熱意をもって走り出す人材を銀行や企業が育てる環境ができれば理想です。

【大】それを瀬戸内に広げていけたら素晴らしい。

【平】スタートアップからの刺激は、銀行が変わるためにも必要です。新規事業は銀行においても大きな経営課題であり、銀行員の枠から一歩踏み出すアントレプレナー人材を育てたい。今の銀行には、私が40代でやっと気づいたことを、20代から経験できるチャンスがあるし、サニピッチのような起業家と交流できる場で直接学んでほしい。

【大】そういう個性的な銀行員とぜひ出会いたい。私は全部さらけ出して一緒にやっていきたいから、経営者側からのコミュニケーションも大事だと思うし、僕自身がシリコンバレーの熱狂を知っているから、「現場」で「本物」に触れる重要性はよくわかります。こういう場所で働きたい!ってなるんです。

【平】大崎さんが今、YouTubeで放送されているサニー留学からも熱狂を感じますね。起業を目指す若者にとって一つの目標になると期待しています。次世代アントレ教育からスタートアップ支援まで官民で思いを持った方々が連携して大きな目的に向けて取り組むことが大事ですね。

瀬戸内サニー株式会社

住所
高松市鍛冶屋町7番地1 乃一ビル4F
連絡先
info@setouchi-sunny.com
設立
2018年1月11日
事業内容
インターネットテレビ事業、デジタルマーケティング運用業務
地図
URL
http://setouchi-sunny.com/
確認日
2018.05.17

株式会社中国銀行

住所
岡山県岡山市北区丸の内1-15-20
代表電話番号
086-223-3111
設立
前身銀行創立 1878年12月9日/創立 1930年12月21日
社員数
2748人
店舗数
144カ店(本店、国内支店135(香川県内12)、出張所5、特別出張所2、海外1)
地図
URL
https://www.chugin.co.jp/
確認日
2023.02.02

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