目指すはファン100万人の「メディア王」

瀬戸内サニー 代表取締役 大崎 龍史さん

Interview

2018.05.17

香川大学在学中に2年間アメリカに留学した大崎龍史さん(28)は当時、規模を拡大していくフェイスブックや、スマホの登場で変わり始めた時代の空気を間近で感じた。ソーシャルメディアに興味を持ち、卒業後は大手企業のデジタルマーケティングを支援する会社や、世界的ネットメディアの日本版「バズフィードジャパン」で実績をあげ、次の転職先へのキャリアアップも決まっていた。しかし、内定をすべて断り、香川でインターネットテレビ事業などを行う「瀬戸内サニー」を1月に立ち上げた。
サニーTVのロゴ。瀬戸内から日本を照らす 太陽(サニー)のよう会社でありたいという 意味が込められている

サニーTVのロゴ。瀬戸内から日本を照らす
太陽(サニー)のよう会社でありたいという
意味が込められている

兵庫県生まれ。大学入学で来た香川にはあまり興味もなく、なじめずにいた。逃れるように留学。帰国後「おかえり」と言ってくれた人たちの存在が意識を変えた。「香川は僕がいてもいい場所なんだ。だったら残りの学生生活、香川のために何かできないだろうか」

始めたのが「香川県Lovers(ラバーズ)」プロジェクト。大学の仲間とフェイスブックで香川の魅力を発信しながら、地元漁師さんへの取材、生産者と食について考えるイベントなどを行い、1万人以上ファンがいるSNSコミュニティになった。この時に感じた“地域のおもしろさ”は、東京で就職した後もずっと心の中にあった。

「企業のメディア戦略を考える仕事は、本当に自分のやりたいことなのかと思い始めて。地域発のメディアをつくるのは、東京でキャリアを積んだ後“いつか”ではなく、今なんじゃないか」。半年以上迷った末、自分を受け入れてくれた香川で起業した。

今、日本各地で地域の魅力発掘、地方創生を掲げた動きが盛んだ。その多くは「地域の魅力を東京にいかにうまく伝えられるか、にみんな必死でそれに違和感がある」。東京で認められたものが勝ちという価値観を変えたい。ソフトバンクのようなメガベンチャーを、東京発ではなく地域発でつくりたいと言う。
取材風景

取材風景

そのための手段の一つが、100万人規模の視聴者がいるメディアをつくることだ。4月には香川発のユーチューブ番組チャンネル「サニーTV」を開局。「自分の黒歴史」を大学生に突撃インタビュー、阿波踊り中止の報道について地元の人の本音を取材した番組など、硬軟織り交ぜて毎日配信している。


取材先で感じるのは、若者が出たいメディアがテレビからユーチューブへ、子どもたちが最初に触れるメディアがユーチューブにシフトしつつあるということ。「例えば、大学生の大半が見ているメディアになれば、就職情報の配信や広告のニーズも必ずある。サニーTVには可能性があると思います」

自分のやりたいことを掲げれば道は開けると、ある人に言われた。だから「僕はメディア王になりたい」。いつの時代もメディアは、次の価値観をつくる役割がある。その力をもつためにも、まずは100万人のファン獲得を目指している。

石川恭子

大崎 龍史 | おおさき りゅうし

1989年 兵庫県生まれ
2008年 兵庫県立相生高校 卒業
2011年 米国カリフォルニア大学アーバイン校 留学
    経営プログラム専攻
2014年 香川大学教育学部 卒業
    トライバルメディアハウス 入社
2017年 BuzzFeed Japanに
    ソーシャルメディアストラテジストとして入社
2018年 瀬戸内サニー株式会社設立
    インターネットテレビ局「サニーTV」開局

瀬戸内サニー株式会社

住所
高松市鍛冶屋町7番地1 乃一ビル4F
連絡先
info@setouchi-sunny.com
設立
2018年1月11日
事業内容
インターネットテレビ事業、デジタルマーケティング運用業務
地図
URL
http://setouchi-sunny.com/
確認日
2018.05.17

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