新体制で四国のDXに貢献

NTTコミュニケーションズ 四国支社長
ドコモビジネスソリューションズ 取締役・四国支社長 堀野 卓さん

Interview

2023.01.05

兄の自閉症をきっかけに支援ボランティア活動に打ち込んだ大学時代、相互理解とコミュニケーションの大切さを痛感したことが、情報通信業界への道を開いた。ドコモがiモードを開発する直前、目まぐるしく成長していく情報通信の黎明期に、ドコモ池袋支店でドコモショップの販売支援からキャリアをスタートする。

企画と現場の両輪でニーズを見つめる

入社3年ほどで、iモードビジネス部へ異動。迷惑メールが問題になり始めた頃で、現在も活用されているフィルタリング機能を開発するなど、社会問題の解決に取り組む。経営企画部での事業計画策定、新潟支店での量販店向けコンシューマー事業などを数年ずつ経験したのち、2010年にヘルスケアサービスの企画・開発からリリースまでを担当。13年に「ドコモ・ヘルスケア株式会社」として会社化されてからは、同社経営戦略部長として腕を振るった。

「ジェネラリスト的なキャリア形成ですね。一番長いのはサービスの企画に携わった期間ですが、お客さまの生の反応を確かめたくて、自ら望んで現場にも出ました。サービスを提供する側と利用する現場、両方を踏まえることで見えてくるものがあります」

今も忘れがたいのは、自身が開発したiモードのフィルタリング機能について、後に新潟の量販店で「この機能があるから安心して子どもに持たせられる」と喜ぶユーザーに出会ったこと。現場の声に触れる大切さとともに、ネットワークインフラ整備の重要性も実感した。

常に「半歩先」を先取り

オフの楽しみは中学から続けているテニス

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2015年以降、株式会社ドコモCS茨城支店法人営業部長、株式会社NTTドコモ第一法人営業部担当部長を経て、19年に同四国支社の法人営業部長に就任した。22年に大きく再編されたドコモグループの新たな体制下で、7月から新たな法人事業ブランド「ドコモビジネス」のもと、NTTコミュニケーションズと戦略子会社ドコモビジネスソリューションズの四国支社長を兼任。これまで大都市圏で展開してきた企業・自治体向けビジネスのノウハウを地方の社会課題解決に活かしつつ、スマホ+ネットワーク一体型の提案力を強みとする法人営業を四国でも拡大しようとしている。

「四国内のクラウドを通じて場所にとらわれないソリューションで最新の業務環境をご提案したい」と語り、IoTの要となる5G回線を使った新たなサービスを模索中。5G回線を通じて4K画質の映像をつなぎ、タイムラグの少ない遠隔通信が可能なシステムは、スピードと正確さを求められる医療の現場などで実験が進んでいるところだ。

「通信は10年スパンで歴史が変わると言われます。20年前のアイデアがほとんど実装されている現在は、第6世代への準備時期でもある。技術先行になりすぎず、『半歩先』を堅実に先取りしていくためにも、ユーザーの声が大切です」と強調。「私たちに何ができるか、世の中にどう活用してもらうかを、これからも考え続けていきたいですね」

戸塚 愛野

堀野 卓 | ほりの たかし

略歴
1973年 山口県生まれ
1997年 学習院大学法学部卒
    エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社(当時)入社
2013年 ドコモ・ヘルスケア株式会社 経営戦略部長
2015年 株式会社ドコモCS 茨城支店法人営業部長
2017年 株式会社NTTドコモ 第一法人営業部担当部長
2019年 同 四国支社 法人営業部長
2022年 NTTコミュニケーションズ株式会社 四国支社長
    株式会社ドコモビジネスソリューションズ 取締役 四国支社長

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