終活というと、「まだ先のことだから」「自分には関係ない」と思われる方も少なくありません。しかし実際に準備を始めた方の多くが口にされるのは、「やっておいて本当によかった」という言葉です。その理由は、財産や持ち物を整理できただけではなく、“心の安心”を手に入れられたからです。「家族に迷惑をかけずにすむ」「伝えたいことを残せた」という安堵感は、暮らしに落ち着きと前向きさをもたらします。それは、ご自身にとっても、ご家族にとっても、かけがえのない安心です。
反対に何の準備もないまま突然の出来事が起きれば、残された家族は大きな負担を背負うことになります。悲しみに向き合う余裕もないまま、慣れない手続きや判断に追われ、不安や混乱の中で過ごさなければなりません。
一方で、エンディングノートやデジタル遺産の整理ができていれば、家族は「ここまで考えて準備してくれていたのだ」と深い感謝の思いに包まれます。悲しみの中にも安心があることで、気持ちに余裕が生まれ、冷静に判断や手続きを進めることができます。準備が整っているかどうかで、家族が背負う負担や不安は大きく変わります。言い換えれば、終活は残された家族に“最後に贈る最大の思いやり”なのです。
もうひとつ大切なのは、終活は「今をよりよく生きるための活動」だということ。持ち物を整理する中で、自分にとって本当に必要なものが見えてきます。やり残したことに挑戦したり、感謝の言葉を伝えたりするきっかけにもなります。つまり、終活は未来の安心を備えるだけでなく、現在の暮らしをより豊かにしてくれるものです。
「まだ早い」と思わずに、どうか小さな一歩を踏み出してみてください。今日からできる「実務的な最初の一歩」をご紹介します。
☑保険証券や年金手帳など、重要書類を1枚確認して、保管場所をメモしておく
☑銀行口座やネット証券など、よく使う金融口座を1冊だけ整理する
☑スマホやパソコンのパスワードを1つ紙に控え、信頼できる人に伝えておく
☑不要になった通帳やクレジットカードを1つ処分する
終活は誰にでも関係のある“人生の宿題”です。その宿題に少しずつ取り組むことで、「やっていてよかった」と必ず実感できる日が来ます。どうぞご自身とご家族のために、安心を贈る準備を始めてみてください。
株式会社人生百年サポート 代表取締役 十川 美加
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