四国を訪れる欧米豪の外国人旅行者に関する調査報告書~インバウンド客への対面アンケートにより浮かび上がった四国観光の潜在力と課題~

株式会社日本政策投資銀行

Research

2025.06.19

調査概要

日本政策投資銀行と四国ツーリズム創造機構は、欧米豪の外国人旅行者に関する調査報告書を公表した。彼らがどのようなきっかけや目的で四国を訪れ、どのような交通手段やルートで四国を含む国内を旅行しているのかといった実態を把握すべく、四国各県の主要な観光地において対面アンケート調査を共同で実施したものである。

四国を含む西日本を周遊している欧米豪の旅行者が多い

四国を旅行している欧米豪の外国人旅行者に対し、今回の訪日旅行プランについて尋ねたところ、「四国を含む西日本への訪問が主な目的」との回答が35.7%と最も多い結果となった。続いて、「東京をメインとしていくつかの地域を訪問」が33.1%、「四国への訪問が主な目的」が16.6%、「大阪をメインとしていくつかの地域を訪問」が9.3%の順となっている。

東京や大阪という拠点をメインとしている人より、西日本という広域エリアを捉えて周遊している人が多いことが分かる。また、四国そのものを目的として訪れる人が2割弱いることより、四国の情報が欧米豪の旅行者に届いているといえる。

四国を訪れる直前の訪問先は広島が最も多い

四国を訪れる直前の訪問地について尋ねたところ、最も多い訪日旅行プランである「四国を含む西日本への訪問が主な目的」における直前の訪問地は「広島」が約3割と、他プランより割合が高く、広島を中心に西日本を周遊しているといえる。

「東京をメインとしていくつかの地域を訪問」プランにおける直前の訪問先は「東京」とあわせて「広島」「岡山」が多く、新幹線を使って東京から広島や岡山に移動後に四国に来ている人が多いと推察される。また、「四国への訪問が主な目的」プランにおける直前の訪問先は「東京」や「大阪」が多いことから、都市圏から他地域を経由せずに直接四国入りしている人が多いことが分かる。

周辺地域と連携した四国の魅力発信と課題対応の両輪を

当調査では、四国を訪れる際の交通手段についての分析も行っており、鉄道、レンタカー、フェリーなど多様な手段を使って移動している欧米豪の旅行者の姿が浮かび上がった。そのルートも、広島・岡山等の中国地方経由や京都・大阪等の関西経由など様々であることから、各地域との連携が重要であるといえる。

周辺地域との連携の上で四国独自のコンテンツを磨くことに加え、アクセス改善や決済ツール充実等の受入環境の整備も引き続き不可欠だ。このように、魅力発信と課題対応を両輪で取り組むことにより、四国への誘客拡大と持続可能な観光が実現することを期待したい。

株式会社日本政策投資銀行四国支店 企画調査課 副調査役 藤岡 亜希子

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