ハラハラとコミュニケーション

香川県信用保証協会 会長 西原 義一

column

2026.05.07

新型コロナが5類感染症となってから3年経つが医療機関や福祉施設では厳しいチェックが続いており、マスクや手指消毒の感染症対策は今や常識となっている。

ハラスメントも常識になったが、これがなかなか難しい。今や「その発言、ハラスメントでないでしょうか」と言われるほど基準は厳しく、不快にさせる要因が様々にあるから種類も多い。相手の尊厳を尊重することが欠かせないし、企業にはコンプライアンス確保の上で適切に対応することが求められている。

大企業にパワハラ、セクハラ等の予防と対応に必要な措置を講じるよう義務づけがなされたのは令和2年6月から。丁度コロナ禍の初期であり、三つの密を避けるためにコミュニケーションが図りにくくなった時期と重なる。中小企業も「相談窓口の設置と周知」は行うこととなっている。声を上げにくいとか誰に話すべきかわからない場合に窓口は解決のための入口となることから必要である。

担当者はハラスメントなのかどうかも含め、コトの次第を整理し内容を把握することになるが、時に言葉や態度には気をつけなければならない。程度によってはコミュハラと思われる。そもそも言葉は、その使い方や物言いによって受け止めが変わるし、その場の感情によっても異なるので無意識に話したことに相手が気分を害している場合もある。このことは誰もが踏まえておく必要があると思う。

ハラハラというハラスメントがある。自分が不快に感じたことは何もかも「ハラスメントだ」と過剰に反応するものだが、これはコミュニケーションがとれていない環境から生じている可能性が高い。

ドラッカー著「マネジメント」に、コミュニケーションを成立させるものは受け手である。聞く者がいなければ成立しない。人は知覚できるものしか知覚しないし、期待しているものだけを知覚する、とされている。受け手がキーマン。当事者同士どちらもが受け手となる。相手の反応に適切に対処できる受け手となれているか、できているかとなる。だが、お互いが伝えたい思いに拘るほど冷静に受け止められない受け手となっているからやっかいなのである。

当然と思っていたことが当たり前でなかったことに後で気づくことがある。100人いたら100の解釈があり同一ではないくらいの気持ちで、相手の話を聞いて受け止めることがコミュニケーションづくり。これがハラスメントの予防になるのではないかと考える。

香川県信用保証協会 会長 西原 義一

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香川県信用保証協会 会長 西原 義一

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