何もしないと伝わらない

四国ライフエンディング協会代表理事 十川 美加

column

2021.09.16

訪問先でコーヒーをいただくことも多いのですが、実は私は、コーヒーが苦手です。タイミングよく最初に苦手であることを伝えられるといいのですが、言いそびれてしまうと毎回コーヒーが出てきて、無理して飲むか飲まないか――。

「~してくれたらいいのに」「~してくれるだろう」と心の中で期待していても、まず実現しましせん。自分の要望を伝えていないのに、「どうして~してくれないのか」と不満を抱える人、結構多いのではないでしょうか。

私がコミュニケーションの研修をするときは、何もしなければ思いは伝わらない「人は違う」ことを理解するところからスタートします。特にビジネスの場では、初対面もしくはよく知らない人と仕事をする機会も多いので、そもそも最初からうまくいくことは難しいのです。

相手は自分と同じことを知っているか?どんな考え方をするのか?それを意識せず、私がこう思うからあなたもこう考えるに違いないと決めてかかってしまうと、うまくコミュニケーションが取れません。

職場での誤解は、「普通はこうよね」と思った瞬間から始まっていて、時には大きなトラブルに繋がるケースもあります。マニュアルは、そういったことを防ぐための仕組みです。

いま、多様性の時代といわれるようになりましたが、もともと世の中は多様な人の集合体です。まずは、説明を省略しないこと。説明するときのコツは、相手の「知っている」を確認してから進めましょう。「以前にも話したからわかるだろう」――ここからすでに、ミスコミュニケーションが始まっています。略語や専門用語を多用しない、相手の表情など見ながら難しそうな顔をしていたら、理解してもらえているかを確認するひと言があるだけでお互いに安心できます。

一方的な説明になっていないか配慮し、双方向のコミュニケーションを。「人は違う」ということを忘れずにコミュニケーションをとって、ストレスフリーを!

十川 美加 | そごう みか

略歴
フリーアナウンサー、専門学校講師を経て
2000年 株式会社大塚商会 入社
2006年 オフィスリアライズ設立
2019年 一般社団法人 四国ライフエンディング協会設立

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