前年同期比12件の増加、過去10年間で2番目
2025年上半期 香川県企業倒産状況

東京商工リサーチ

Research

2025.08.07

概要

件数33件
前年比 57.14%<(2024年21件)
負債総額6497百万円
前年比 158.85%<(2024年2510百万円)

負債総額は、前年同期比39億8700万円の増加

2025年上半期(1月~6月)香川県企業倒産(負債総額1000万円以上、内整理を含む)は33件、負債総額64億9700万円。倒産件数は前年同期比12件増、負債総額は前年同期比39億8700万円増。上半期における件数33件は、過去10年間で2番目。負債総額64億9700万円は2番目。

市郡別では、最多は高松市の17件、丸亀市、坂出市が各4件、善通寺市、東かがわ市各2件、観音寺市、三豊市、綾歌郡、仲多度郡が各1件と続く。さぬき市、小豆郡、木田郡、香川郡については発生が無かった。

形態別では、法的倒産が31件(破産30件、特別清算1件)、私的倒産が2件(銀行取引停止2件)だった。

従業員別では、5人未満が24件、5人以上10人未満が5件、10人以上20人未満、20人以上50人未満が各2件だった。

負債総額別では、1千万円以上5千万円未満が14件、5千万円以上1億円未満10件、1億円以上5億円未満が7件、10億円以上が2件だった。

倒産件数33件の内、新型コロナウイルス関連は4件だった。

販売不振が28件で最多、『不況型』倒産は30件で構成比90.9%

原因別倒産件数は、販売不振が28件で最多、既往のシワ寄せ2件、放漫経営、過小資本、その他が各1件だった。『不況型』倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金回収難)は30件で、構成比90.9%だった。

前年同期では、販売不振が18件、放漫経営が2件。『不況型』倒産は18件で、構成比85.7%だった。

8産業で倒産が発生、サービス業他が10件と最多

全10産業のうち建設業、製造業、卸売業、小売業、金融・保険業、不動産業、情報通信業、サービス業他の8産業で倒産が発生した。サービス業他が10件で最多、建設業8件、製造業が7件、小売が2件、金融・保険業、不動産業、情報通信業が各1件だった。農・林・漁・鉱業、運輸業は発生がなく、農・林・漁・鉱業は前年同期に引き続き発生は無かった。

コロナ禍の資金繰り支援の副作用で、過剰債務を抱えた企業は少なくない。金融機関は借換えだけでなく、リスケで再び返済を延期するなど、弾力的な対応に取り組んでいるが、過剰債務の解消が遅れた企業は新たな資金調達が難しく、抜本的な改善策をとれない場合、売上増が資金繰り悪化に拍車をかける懸念も残る。

25年1月、日本銀行は政策金利を0.25%から0.5%に引き上げた。その前から金融機関の貸出金利は上昇局面に入っており、低収益から抜け出せない企業には重荷になっている。また、ドル/円は円安水準を持続し、輸入財のコストは高止まりしており、資金力が乏しい中小・零細企業ほど金利上昇の与えるダメージは大きくなっている。

企業倒産は業績不振の息切れを中心に、新たな資金手当てが難しい黒字倒産を加え、しばらく増勢傾向を辿る可能性が高い。

東京商工リサーチ四国地区本部長兼高松支社長 波田 博

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