讃岐のドライフード

野菜ソムリエ上級プロ 末原俊幸

column

2021.03.04

民家で乾燥野菜が作られた様子(四国村)

民家で乾燥野菜が作られた様子(四国村)

最近、干し野菜がブームですが、冷蔵庫などの保存技術が十分でない時代は、食品を長期保存させるために、必要不可欠な技術でした。また、現代のように流通も十分に整っていないことから、大量に収穫できるときにその素材を乾燥させることで、端境期に備える生活の知恵でもありました。

実はドライフードは、現代でも生活に根付いた食材であり、乾燥野菜の代表と言えば「切り干しダイコン」があげられます。また、乾燥果実の代表は「干し柿」と「梅干し」ではないでしょうか。このほかにも「かんぴょう」「わかめ」「シイタケ」など、いたるところでドライフードが活躍しています。

さて、香川県で特徴的なドライフードと言えば、なんといっても干しマンバ(西讃では「ヒャッカ」とも)ではないでしょうか。

作り方は、普段と同じようにマンバを湯がき、冷水でしっかり冷まして、ひもなどに干して天日乾燥させます。2~3日でカラカラの状態になるので、これを段ボール箱などに保存しておき、使うときには、30分程水で戻して煮炊きに使っていました。昔は、段ボール箱いっぱいになるくらいの干しマンバを作っていたようです。

生のマンバと違い、少し歯ごたえのある独特の美味しさを持っていますし、なによりマンバは基本冬場しか手に入らない食材ですので、こうしておくと、夏でも「まんばのけんちゃん(おせっか)」を食べることができます。

野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん

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