マンバ(ヒャッカ)はどこに?
マンバは、香川県の方言で、一般的な名称は高菜で、香川県では、10月から4月の約半年間、日常的な青菜として利用されています。
マンバが、いつの時代から青菜として利用されてきたのかは明らかになっておりませんが、多くの香川県の方言と同様、香川県の東のエリアでは「マンバ」と、また西野エリアでは「ヒャッカ」と異なることから、江戸時代中期以降、香川県が、高松松平藩と丸亀京極藩に別れていた頃の名残であるとも言われます。また、坂出市の渡辺家の文書に、安政4(1868)年の法事の汁として「万葉の赤味噌汁」が供されていたことから、少なくとも、江戸時代には野菜として利用されていたことが確認されます。
しかし、香川県で古くから冬場のメインの野菜として活躍してきた「マンバ」の、高松松平家博物図譜での描写ですが、類する野菜としては、「火焔菜」「さんごじゅな」(表2)ですが、これは名称からアカザ科のビーツの仲間で、描写も、葉脈が赤く、葉脈が薄い緑のマンバとは全く形態が異なっています。
野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん
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