現場での気づきと提案が次につながる

アサヒビール 高松支社長 加藤 孝雄さん

Interview

2018.02.01

大学時代の剣道部 (前列左から2番目が加藤さん)

大学時代の剣道部
(前列左から2番目が加藤さん)

東京生まれ、大阪育ち。小学校から大学まで剣道に打ち込んだ。「立ち合った瞬間、不思議と勝つか負けるか分かるんです。相手と向き合った時の緊張感がたまりません」。剣道四段の腕前だ。

就職はメーカーや商社を希望し、大学のOBにいろんな話を聞きに行った。「当時、アサヒビールはビールメーカーの中で3番手でしたが、スーパードライも発売したばかりで、会社自体に活気を感じました。仕事もやりがいがありそうだと思ったんです」

営業に必要なのは誠実さ

オリオンビールへの出向時、 沖縄のメンバーと

オリオンビールへの出向時、
沖縄のメンバーと

入社から数年、物流や営業企画を経験した後、本社で当時の瀬戸雄三社長の秘書を担当した。瀬戸さんは営業本部長などを務め、スーパードライをトップブランドに育て上げた生え抜きの社長。「人間味があり、とてもチャーミングな方でした。近くで仕事ができたのはとても良い経験でしたね」。瀬戸さんから「営業に向いているんじゃないか」と言われたことをよく覚えている。

そして、入社から10年ほど経って、初めて営業職に。自分に商談ができるのかと不安に思ったこともあったが、「営業に必要なのは話のうまさではなく誠実さだ」と考え、励んできた。

2005年に赴任した名古屋では、量販営業部の部長を務め、地元の大手量販チェーンで、アサヒビールが販売シェアトップになった。「お客様にただ会いに行くだけはダメ。経営者から現場のバイヤーまでに信頼してもらわないといけません。顧客の気づかぬ悩みや課題をいち早くつかんで、提案することが大事です」

12年、業務提携している沖縄のオリオンビールに出向し、マーケティングを担った。16年に高松支社へ。「沖縄でも温かく迎えていただきましたが、香川の皆さんも優しく温かいという印象です」。高松支社はメンバー13人のうち、6人が20代。「明るく元気な支社のムードは誇れるものだと思います」

愛されるビールに

営業では、アサヒビールのファンを増やすこと、売上を伸ばし利益を出すことを目指してやってきた。管理職になった時、上司から「働きやすい環境をつくることと、部下の成長を支援することが役目。数字は後からついてくるから気にするな」と言われた。「上長になって初めて分かる苦しみ、大変さがありました。人として魅力のある、尊敬する瀬戸に少しでも近づけたらと思っています」

支社長になった今も「現場が一番」だという。「机上で考えるだけでは何も始まりません。スーパーマーケット、飲食店、どこに行っても気づきがあります。訪れると今何が売れているのか、なぜ売れているのか、自然と情報が集まってきます」

支社のメンバーに、大切にしてほしいと伝えているのは3つ。基本に忠実に活動すること。相手の立場を考える思いやりを持つこと。常に積極的な考えを持つこと。「瀬戸の受け売りですが」と笑う。

四国各県に支社があり、高松には四国統括本部もある。愛媛県西条市の四国工場は、今年で創業から20周年を迎える。「これからもファンを増やし、香川の皆さんに一番愛されるビールでありたいですね」(鎌田 佳子)

加藤 孝雄 | かとう たかお

1965年 東京都生まれ
1983年 大阪府立富田林高校 卒業
1988年 関西学院大学法学部 卒業
    アサヒビール株式会社 入社 
2005年 名古屋支社 量販営業部 部長
2010年 近畿広域支社 広域営業第一部 部長
2012年 オリオンビール株式会社 営業戦略部 次長
2016年 アサヒビール株式会社 四国統括本部
    高松支社 支社長
写真
加藤 孝雄 | かとう たかお

アサヒビール 高松支社長 加藤 孝雄さん

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