就職はメーカーや商社を希望し、大学のOBにいろんな話を聞きに行った。「当時、アサヒビールはビールメーカーの中で3番手でしたが、スーパードライも発売したばかりで、会社自体に活気を感じました。仕事もやりがいがありそうだと思ったんです」
営業に必要なのは誠実さ
そして、入社から10年ほど経って、初めて営業職に。自分に商談ができるのかと不安に思ったこともあったが、「営業に必要なのは話のうまさではなく誠実さだ」と考え、励んできた。
2005年に赴任した名古屋では、量販営業部の部長を務め、地元の大手量販チェーンで、アサヒビールが販売シェアトップになった。「お客様にただ会いに行くだけはダメ。経営者から現場のバイヤーまでに信頼してもらわないといけません。顧客の気づかぬ悩みや課題をいち早くつかんで、提案することが大事です」
12年、業務提携している沖縄のオリオンビールに出向し、マーケティングを担った。16年に高松支社へ。「沖縄でも温かく迎えていただきましたが、香川の皆さんも優しく温かいという印象です」。高松支社はメンバー13人のうち、6人が20代。「明るく元気な支社のムードは誇れるものだと思います」
愛されるビールに
支社長になった今も「現場が一番」だという。「机上で考えるだけでは何も始まりません。スーパーマーケット、飲食店、どこに行っても気づきがあります。訪れると今何が売れているのか、なぜ売れているのか、自然と情報が集まってきます」
支社のメンバーに、大切にしてほしいと伝えているのは3つ。基本に忠実に活動すること。相手の立場を考える思いやりを持つこと。常に積極的な考えを持つこと。「瀬戸の受け売りですが」と笑う。
四国各県に支社があり、高松には四国統括本部もある。愛媛県西条市の四国工場は、今年で創業から20周年を迎える。「これからもファンを増やし、香川の皆さんに一番愛されるビールでありたいですね」(鎌田 佳子)
加藤 孝雄 | かとう たかお
- 1965年 東京都生まれ
1983年 大阪府立富田林高校 卒業
1988年 関西学院大学法学部 卒業
アサヒビール株式会社 入社
2005年 名古屋支社 量販営業部 部長
2010年 近畿広域支社 広域営業第一部 部長
2012年 オリオンビール株式会社 営業戦略部 次長
2016年 アサヒビール株式会社 四国統括本部
高松支社 支社長 - 写真
アサヒビール 高松支社長 加藤 孝雄さん
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