愛されるブランドであり続けるために

コカ・コーラ ボトラーズジャパン四国地区統括部長 宇野寿重さん

Interview

2020.03.05

大学生のときコカ・コーラ社製品を配送するルートトラックに同乗し、店舗への納品や自動販売機に製品を補充するアルバイトをした。「ロゴがかっこいい。ロゴが背中に入ったユニフォームを着ていることが何だか誇らしかった」。それが入社のきっかけだった。

入社後、営業職となったが、当然アルバイトの時と違い売上目標がある。製品を販売するためのクーラーや自動販売機といった機材を購入してもらうことに苦戦した。「先輩に『二流の営業マンは製品を、一流は自分自身を、超一流は真心を売る』と言われたことを今でも覚えています」。得意先を訪問する中で、時間が経つと同じ店舗でも状況や店主の気持ちが全く違うこと、それを敏感に察して一番いいタイミングで提案することが身についたという。「親子三代でご支持いただいたお得意さまもありました。長くお付き合いできるのは嬉しかったですね」

その後、チェーンストアの担当になると、1件の契約で扱う数量が大幅に増えた。店舗の売場にできるだけ多く製品をディスプレイしてもらうため、様々な企画を提案し消費者の嗜好を調査して説明する。「自分たちが提案したいことを実現するプロセスが楽しかった。結果が伴えば達成感がありました」

経験の中で感じたのは、ブランド力の大切さ。「私たちが扱っているのは嗜好品で、突き詰めれば生きていくために必ずしも必要というわけではない。それをお客さまに受け入れてもらうにはブランドを育てることが大事なんです」

確率は1000分の2

清掃活動の様子

清掃活動の様子

毎年、あらゆるメーカーから約1000種類の新商品やリニューアル商品が登場している中でヒットし、翌年も残っているのは2~3品だという。そのためには商品力と同時に、会社のイメージを高める努力も必要だと考えている。

日本のコカ・コーラシステムは、原液の供給と製品のマーケティング活動を行う日本コカ・コーラ社と、製品の製造・販売を行うボトラー社で構成されている。各地域の企業が出資して誕生したボトラー社は、その歴史から地元企業として地域貢献にも力を入れている。

例えば、災害時に情報を提供し、避難した人に飲料水を無償提供できる自動販売機の設置や、地域の活性化を目的とするイベントへの協賛など。ペットボトルは資源であることを伝えるリサイクルへの取り組みや、清掃活動も行っている。

オリンピックが開催される今年、スポーツへの機運醸成を目指し高松市と包括協定を結んだ。「これまで支えてくださった地域のためにできることはやる。地域に愛される会社になることが、ブランドイメージのアップにもつながります」

大きく羽ばたいてほしい

ホットヨガに通う

ホットヨガに通う

高松に赴任して2年。最近はホットヨガに通い、心を癒やしているという。大学時代から乗っている大型バイクには今でも機会があれば乗りたいという。

社内の後輩や部下に対してはみんなの前でほめ、常に感謝を伝えるようにしている。自分が先輩や上司に同じようにされて頑張ろうと発奮できたからだ。

営業エリアが1都2府35県に広がった今、これまでは四国から出る機会がなかった若い世代に「四国の外に大きく羽ばたいて全国で自分の力を試してほしい」と考えている。実際、全社プロジェクトへの募集に参加したいと手を挙げた社員がいて嬉しかったという。

「時代の変化を前向きに捉えてスキルアップしてほしい。そう思えるよう意欲を高めていくことが私の仕事です」

宇野 寿重 | うの とししげ

略歴
1966年 福岡県生まれ
1985年 常盤高等学校(北九州市) 卒業
1989年 水産大学校製造学科 卒業
北九州コカ・コーラボトリング株式会社入社
2001年 筑豊チェーンストア営業所販促課
2004年 チェーンストア筑後営業所 営業課長
2006年 コカ・コーラウエストジャパン チェーンストア佐世保 支店長
2009年 コカ・コーラウエスト 長崎支店長
2010年 コカ・コーラウエスト 九州流通営業二課長
2015年 コカ・コーラウエスト 九州第一営業部 次長
2016年 コカ・コーラウエスト 九州第一営業部長
2018年 コカ・コーラ ボトラーズジャパン 四国地区統括部長

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